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【はぴねす柿生】子どもの会話力を引き出そう!

教室の毎日
こんにちは!
はぴねす柿生です。

本日は子どもの会話力についてです。

お子様とのやりとりが会話らしい会話にならない、と悩んでいる保護者様は多いと思います。たとえば、「一言二言しか返してくれない」 「話したい気がないようで、あっという間に終ってしまう」「内容が薄すぎる」などです。
この中で、特に発達障害のお子さんが苦手とするのが体験談です。私達の会話の中で非常に大きな位置を占めるのが体験談です。「夏休みに家族と北海道に行ってきたよ。電車移動が長くて、あきちゃった」一こういう風に切り出せば、周囲の子供たちから「北海道って涼しいの?」「電車ってどれぐらい乗るの?」などという質問が集まり、更に会話が弾みそうです。
ところが、発達障害のお子さん、特に自閉症のお子さんは、体験談を構成するのがとても苦手です。先程の例で言えば、「電車、飽きちゃった」というだけで終ってしまうかもしれません。何故このような言い方になってしまうかというと、自分にとって一番印象に残ることを言うだけで、「説明しなければ相手は知らないこと」は何なのかを推理することが苦手だからです。もう一つの理由は、話の詳細を伝えることが苦手で、大ざっぱな話になってしまうからです。

カナダの言語療法家たちが設立したハネン・センターは、発達障害の子ども達の発話力を開発するための様々なハウツー本を出版しています。その中に、上記のような体験談をより豊かにする方法が書かれています。
それは、まず、「お子さんが使ったキーワードをそのままくり返す」ことです。これによって、話題からそれないようにします。次に、そのようにお子さんが出した話題を引き継ぎつつ、関連する他の話題も入れることです。それがお子さんにとって、どういう風に話題を広げてゆけばよいのかのヒントとなります。質問をするときには、イエス/ノーの一言で答えられるものではなく、文章で自由に答えられる質問をします。
先ほどの作例については、「電車、飽きちゃった」という発言に対して、まず「どこの電車の話なのか」「いつの事か」などの前提となることを聞きます。その上で、例えば、次のような対応で話を引き出します。

「電車に乗っていたのは、だいたいどれぐらいだったの?」
「2、3時間」
「それは長いね。でも旅行って電車だけじゃないよね。その他のことは?」
「札幌では色々なものを見たよ」
「へぇー、何か面白いものあった?」
「円山動物園」
「えっ、そんな動物園あったの?他の動物園とは違ったの?」

こんな風に話を豊かにするように引き出せれば理想です。しかし、例えば「2、3時間と言えば東京から大阪に新幹線で行く時間と同じだね」と言えば「そうだよね」という答えで話題が完結してしまい、次の展開が難しくなってしまいます。

お子さんの会話力を引き出すには、言葉の選び方を考えなければなりません。どこに焦点を当てるのか上手な狙い方をしなければなりません。
やっていると、本当に職人芸です。私たち全員がまだまだ修行中ですが、少しでも会話サポーターとして向上を目指したいと思います。

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