こんにちは。
児童発達支援事業所STELLA KID(ステラキッド )鶴ヶ峰教室です。
今回は言葉の発達の中でも
『オウム返し(=即時性エコラリア)』
についてのお話です。
【オウム返し(=即時性エコラリア)とは】
当教室をご利用いただいているお子さんの中にも
「言葉に遅れがある」
「年齢相応の言葉が出ない」
というお悩みは大変よく耳にします。
そのようなお子さんの傾向として、話しかけられた言葉に対して、答えるのではなく、同じ言葉で返す「オウム返し」が見られるケースがあります。
具体的に言うならば
「おなまえは?」という投げかけに対して
「おなまえは?」と返すなどです。
このような投げかけに対して同じ言葉ですぐに返答する「オウム返し」は、専門的には「即時性エコラリア」と呼ばれ、そのほかにもしばらく時間を置いたのちに同じ言葉を繰り返す「遅延性エコラリア」というものも存在しますが、今回のブログではわかりやすいように「オウム返し」という呼び方で統一させていただきたいと思います。
【オウム返しのネガティブイメージ】
先にも説明したように、オウム返しは質問などの投げかけに対して同じ言葉で返答するため、コミュニケーションが成立していないように見えます。
そのため、言葉の発達という観点では「言葉がうまく習得できていない」と問題点であるかのように思われがちです。
また、オウム返しという言葉が自閉症スペクトラムの主な特性の一つとして紹介されることもネガティブなイメージを抱かせる原因となっているのでしょう。
【オウム返しのポジティブな側面】
オウム返しは誰にでも起こりうるものではありませんが、言葉の発達にとっての課題やつまづきというわけではありません。
オウム返しの兆候が見られる場合、
・母語(幼児期に自然に習得する言語)の習得がすでに出来ている。
・人の言葉とその他の音の判別ができている。
といった発達段階である可能性があり、言葉の発達の通過点の一つであるという意味は喜ばしい成長の側面であるともいうことができます。
これはとても大きな成長の証であり、意味のある言葉のやり取りの足がかりとして丁寧に見守っていくべき部分です。
【オウム返しのつぎに】
オウム返しの次に身につけるべきことは「意味の理解」ですが、オウム返しの段階から意味の理解への発達がなかなか進みにくいことがあります。
その理由としては2つの問題点があります。
1つは
「実はまだ母語の習得に至っていない」・「人の声と物の音の区別ができていない」という「言語感覚の問題」。
もう一つは
「今、誰が話している(聞いている)のか」という自他の境界線がはっきりしていない「自我感覚の問題」が挙げられます。
これらの2つの問題点のいずれか、或いはその両方がまだ未解決の状態でのオウム返しは、「同じ音程」・「イントネーション」・「長さ」・「強弱」などで反復するだけの物、いわばコピー音であり、言葉の意味の理解まで至っていないと言えます。
逆を返せば、同じオウム返しの言葉であっても、「音程」・「イントネーション」・「長さ」・「強弱」に変化が出てくると、言葉の理解に近づいてきたといえるでしょう。
そのためには、テレビや音声教材などによる音の反復による言葉の学習ではなく、人との自然なやり取りの中で、同じフレーズにも色々な音程やイントネーションがあるということを体験的に学ぶ必要があります。
【まとめ】
オウム返しは言葉の習得への一つの通過点です。
しかし、オウム返しができるからといって言葉の理解ができるようになったと考えるのは早計であり、まずはそのオウム返しが音楽的なコピー音としての物なのか、ただのコピーではなく意味を込めた言葉としての表出なのかを確認することが、次の言葉の訓練への大事な確認事項となります。
そして、何より大切なのは人との自然なやり取りのなかでの言葉の交換が大切だということです。言葉を反復して発語するための訓練も決して無駄ではありませんが、生きた言葉のやり取りには、生きた人間との自然な会話が不可欠ということなのです。
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当教室では
・じっとしていられない
・こだわりが強い
・感情の調整が難しい
・人の気持ちを読むことが難しい
・お友達とのトラブルが多い
・言葉の遅れを感じる
・抽象的な表現が苦手
・発達に心配がある
・不器用
・視線が合わない
・幼稚園、保育園、小学校への就学が不安だ
などの保護者の方々・お子さんの困り感をサポートいたします。
※自治体の助成により無料もしくは低額にて療育が受けられます。
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※児童発達支援事業は、放課後等デイサービス(放デイ)と同じく障害児通所支援事業に属する療育施設であり、「児発」などの略称で呼ばれる場合もあります。
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オウム返しについて
雑記
19/11/25 18:29