今回は「コミュニケーションと関係性のズレ~後編」について書いていきます。
前回の復習になりますが、コミュニケーション障害は子どもと周りの人たちの関係性の中にある「ズレ」に注目する必要性があると言われています。
コミュニケーションのズレはたいてい一つの関係性だけで生じることはないとされています。
〇子どもと家族
〇子どもと園の先生や子供たち
〇子どもと療育指導者
〇子どもと関わりのある〇〇
コミュニケーションのズレが生じているところがあれば関係者が協力して、情報提供を行い、チームで関係性を改善していくことが大切になります。
しかし得意と不得意もそれぞれにあるので無理のないように行うことも大切です。
一人で改善に挑むより、関わる人たちが連携してこそ「関係性のズレ」が改善され、相互理解が進むのかもしれません。
これがチームで取り組む非常に強いメリットとなります。
コミュニケーションのズレを改善するための支援として、
①お子様本人を理解する
②本人のスキルを習得するために支援する
③ずれを改善させるための環境を調整する
④関係性をより良くするために練習や理解を促す
⑤コミュニティや社会システム自体を支援する
などが考えられます。
本人の行動がなぜ起きるのか?
どういう時に起きるのか?
分析していくと見えていくものがあります。
指導員や療育者の発言や検査などにはそのヒントがあるかもしれません。
お母さんやお父さん、兄弟の話にヒントがあるかもしれません。
問題行動はその欲しいものをもらう手立てがないときや嫌なことを避ける手立てがないときに起きやすいものです。
それを言葉やジェスチャーで伝えられることは問題行動を減らすことにつながります。
環境に問題があるときに、その問題になりやすい環境を整備することで問題が減ったり、コミュニケーションのズレを改善することができます。
色々な理解をもとにその対象のお子様にどのように接すればいいかを周囲の人たちが理解し、練習していくことで関係性のズレを改善し、心地よい関係を作ることに寄与します。
人と関わることが楽しいと当人が思えることでより一層コミュニケーションに興味を持ち、問題を修繕していく方向へ力が傾いていくかもしれません。
園の特定の児童との問題でもクラスの枠組みで考える、園の枠組みで考える、地域の枠組みで考えると、いろいろなアイデアが浮かぶことがあります。
情報の共有だけでもお子様の関わる場所場所で活かせるものも多くありますので、システムへの支援も重要になっていきます。
このようにコミュニケーションは本人の問題だと限定的にしてきた現在までの考え方から広がって、その広がった捉え方によりできることがたくさんあることがみえてきます。
療育の話第24回「コミュニケーションと関係性のズレ~後編」
教室の毎日
25/03/14 17:34
