療育の話第26回「コンプリメントを使う中編」について書いていきます。
コンプリメントは「褒める」「称賛する」「肯定的に支持する」という意味で前回紹介しました。
今回はブリーフセラピーの中で用いられている技法としてのコンプリメントをご紹介します。
ブリーフセラピーとは、過去や問題の原因に着目するよりも解決に注目し、今ある資源を見直し、活用して乗り越えていこうとする短期決戦型の心理療法になります。
ブリーフセラピーの考え方として、
・原因や背景への注視よりも解決の糸口を探すことを重視する
・原因を個人とするより相互関係や相互作用とする
・性格を変えるのではなく、コミュニケーションパターンを変えること
・うまくいっていることを継続する
・うまくいっていないのであれば、今までと違うことを行う
・解決や改善に役立つリソース(資源)をみつける
・問題が資源になることも多い
・過去よりも未来に目を向ける
・例外から糸口を探す
・自他を責める機会をつくらない
といったことが特徴的です。
さてそんなブリーフセラピー中での「コンプリメント」は、相手の話したことや意図を肯定的あるいは支持的に評価することを指します。
自分の話しを相手が肯定的に捉えてくれたり、支持してくれたらうれしいですよね。
またその意図を汲んで肯定的に支持してくれたら非常にうれしいものです。
自分の親が自分のことを肯定的に捉えてくれたらどうでしょうか?
自分の親がやっていることを支持してくれたらどうでしょうか?
とてもうれしいですよね。
そういったところで活用していくアイデアをこの技法が教えてくれます。
いつもやっているあの意味の分からない遊びを「いいね」って捉えてあげよう!!
よくわからないあの行動を一緒に楽しんでみようか!
そういったところから子供が他者を信頼したり、興味を持ったり、自信を回復させるきっかけになるかもしれません。
発達特性があるとなかなか親ですら理解することが難しいことが多々あります。
理解されていないお子様の世界が少しでも理解者の増える世界になるだけで変化が生まれることもあります。
甘やかすということとは異なり、人としての尊厳的なものでもあるかもしれません。
いいところを探していく手順がいつもの「ネガティブなことばかり考える癖」を変えてくれた、という声もあります。
できることから褒めて、肯定的に捉えながら、できることを増やし、また褒めて褒めて、またできることが増える。
そうやって世界を広げてあげて、発達が広がっていくものだと信じています。
いつもお読みいただき、ありがとございます。
療育の話第26回「コンプリメントを使う中編」
教室の毎日
25/03/14 17:34
