療育のお話第29回は「境界知能 中編」について書いていきます。
境界知能の学習面での問題点について。
学習面では、
○読み書き
○スピードについていけない
○集中できない
○理解が難しい
○上手く整理できない
○覚えられない(すぐ忘れる)
○力の加減が難しい
○見る聞くが難しい
○宿題に取り掛からない
などの問題が生じやすいと言われています。
境界知能だから学習面は諦めなくてはならない、ということではありません。
お子様によって得意で好きな学習もあれば、苦手で嫌いな課題もあるものです。
自信がなくなれば、自信がつくような得意科目で自信を取り戻し、戻って苦手な課題を行うなど工夫が必要になります。
境界知能であることを家族や先生が理解しながら、本人にとって分かりやすい教育がされることによってその伸びしろも伸びていきます。
逆に「なんでできないの!!」と怒られることが増えて学習に抵抗感や苦手意識を強めては本末転倒になります。(でも親だと言っちゃいますよね。。。)
境界知能の対人面での問題点について。
対人関係では、
○会話についていけない
○ルールやマナーの理解が難しい
○相手の意図がわからない
○うまく言葉で表現するのが難しい
○上手く仲間の輪に入れない
○空気を読むことが苦手
○話すスピードや処理に問題が生じて会話がうまくできない
○抽象的な話が苦手・わからない
○集団になじむのが苦手
などの問題が生じやすいと言われています。
境界知能では、敬語やお世辞、社交辞令などの一般的な社会的なコミュニケーションに難しさを感じたりする方もいます。
また相手の気持ちや集団の空気を読むことが難しく、馴染めないことも少なくありません。
見た目には普通の人というカテゴリーで認識されるため、相手にもできると思われてしまうため誤解を受けてしまうケースも多くあります。
じぶん本人も境界知能ということを知らず、上手く人間関係を構築できない責任をじぶんへ転換して自己批判的に苦しい毎日を送ってしまうケースもあります。
境界知能の社会面での問題点
社会面では、
○忘れっぽい(おっちょこちょい)
○身だしなみを整える事が難しい
○整理整頓の困難さ
○お金の問題
○スケジュール管理
○マルチタスクの苦手さ
○口頭指示の実現の難しさ
○業務を覚えることに時間がかかる
○値段の比較や商品の比較が難しい
などの問題が生じやすいと言われています。
仕事をしていていつもミスする、しっかりできていると認識していてもぬけが多いなどの問題も抱えることが多く、自罰的な精神をもつ場合があります。
未来予測や見通しの甘さなども難しさを感じることが多く、お金の問題や作業効率に問題をもつこともあります。
口頭で指示されて動くときには、頭の中で変換しないといけませんが、そこに難しさを感じ、指示通り動けない、忘れてしまうなどの問題も起きます。
自分が境界知能であることを知ることで不必要な自責を回避して、努力しやすい土壌がつくれますが、知らないとなかなか難し方向へ進んでしまうことも多くあります。
いつもお読みいただき、ありがとございます。
療育のお話第29回「境界知能 中編」
教室の毎日
25/03/17 09:24
