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療育のお話第31回「認知の発達 前編」

教室の毎日
療育のお話第31回は「認知の発達 前編」について書いていきます。


認知発達とは、

外からの刺激を感知して、今までの情報と照らし合わせながら判断識別し、対処や行動を決定するような「人間の中核的な機能」のひとつです。

それは、

〇弁別
〇語彙
〇図形の識別や摸写
〇数の概念
〇抽象概念
〇読み書き
〇言葉の習得
〇目と体の協応
〇因果関係の理解
〇始まりと終わりの理解
〇思考する
〇推理・推論

などが習得されていくにしたがって発達していきます。

一見されると勉強して習得しないといけないような流れが多そうですが、多くは遊びや一般生活の中で学ぶ機会も多くあります。

認知発達は概念の発達といっても過言ではありません。

物事の名前を覚え→
カテゴリーで分けることができ→
その違いが判り(類似概念)→
どっちが大きいなどの比較概念がわかり→
反対の言葉(対義語)の習得→
比較できるので強さややさしさなど力の調整ができてくる→

このように概念から発展していくことも多くあります。

目に見えるものであれば視覚的に見比べ出来ますが、目に見えないものは聴覚的なイメージになるので時間差や時系列的な処理が必要になります。

時間の概念は数が60まで理解できていないと理解が難しいと言われています。

時間の概念が理解できていくと曜日概念が理解でき、スケジュールや予定なども頭に入ってくるようになります。

具象概念は目にみえて絵にできるようなものですが、抽象概念は絵にかくことができない言葉で説明しないといけない概念です。

抽象概念は平均9歳ぐらいから獲得し始めると言われています。

「~してはいけません」という指示や叱責が効果を得ないことが多いのは、この抽象概念が育っていないことも影響があります。

ということは目にみえるモデルを提示していくと良いということになります。

「しゃべってはいけません」よりも「し~っと静かに」のほうが伝わりやすい可能性があります。

ピンクの象さんをイメージしないでください。というとして創造してほしくないのにイメージしてしまいます。

発達障害のお子様にとってイメージが浮かぶと行動スイッチが点火されるお子様も少なくないので逆効果になってしまいます。

また指示はお子様がイメージできる指示にしていくと適切な行動が促されます。

もし~ならばという仮説思考は小学校高学年で理解しやすくなります。このあたりが育つと将来のなりたい仕事がイメージしやすくなります。

もし~の世界がわかるようになると人の気持ちもより一層理解しやすくなります。しかしこの発達によってありもしない仮定の恐怖や不安に襲われることもあるかもしれません。

このあたりから悩みや不安を感じることが増える時期になります。

うまく自分の気持ちを扱う方法を学んだり、習得することも大切です。

次回続きを書いていきますね。

いつもお読みいただき、ありがとございます。
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