療育のお話第32回は「認知の発達 中編」について書いていきます。
認知の発達に関するスキルには、
〇ライフスキル(生活や人生)
〇コミュニケーションスキル(対人関係)
をはじめとして、読み書きスキルや計算スキル、リスニングスキルなどの様々な勉強系スキルを組み合わせて本人の技能や能力を形成しています。
ソーシャルスキルトレーニング(以降SST)とは学習性が高く、対人面においてルールや相手の行動をイメージして効果的で合理的に行動できる能力のことです。
ソーシャルスキルが低い状態でも練習によって身につけることがスキルです。
〇適切なモデルを見たことがなかった
〇スキルを知らない、実践できなかった
〇間違った不適切なスキルを習得してしまった
等の場合、うまくSSTスキルを活用できていません。
まずは適切な対応を知り、実際に活用していくことが大切です。
発達障害や特性のあるお子様は言葉の発達がゆっくりで、抽象的なルールの理解が難しくなることがあります。
そのためSSTなどを合理的に学んでいく機会を増やしていくことが大切になります。
コミュニケーションの語源はラテン語の「共有する」という言葉に由来しています。
赤ちゃんにとって最初のコミュニケーションは「泣くこと」です。
ただ泣くだけでなく、「ほしいものを見たり」「養育者をみたり」することで視線で要求を伝えることもあります。
共同注視は他者との間で同じ対象物を見ることです。
指差しをしたり、一緒に同じものを見たり、楽しみながら共同注視できるといいですね。
言葉のシャワーを浴びせることが良い場合もあれば、その言葉の量に圧倒されて主体的に発声や発信しにくくなることもあります。
お子様に合わせた言葉をかけてあげられるといいですが、それだけが問題で発語がないとか、言葉を話さないなどはないのでご心配なきように。
おおよそお子様のしゃべっている言葉+1語がよいとされています。
単語でしゃべっている場合は2語文で。
主体的な声や興味を尊重してあげながら相互関係を作っていくことができたらいいですね。
TVに関して賛否両論がありますが、とてもいろいろな学習を促す場面や知識に遭遇するのですが、コミュニケーションはありません。そのため2歳以下にみせるときは親と一緒に関りながらみるといいと学会などでは提言していたりします。
兄妹や親など家族と一緒に見ると楽しいですし、いろいろ話も発展しやすそうですね。
ライフスキルには、
〇意思決定スキル
〇問題解決スキル
〇批判的思考スキル
〇創造的思考スキル
〇コミュニケーションスキル
〇対人関係スキル
〇自己認知スキル
〇共感スキル
〇ストレスコーピングスキル
〇情動コーピングスキル
などがあります。
社会の中で自立的で生産的に生きていくために必要なスキルですが、自然と身につかないものは育てていくべきスキルと言えます。
小児期の行動の多くはきっかけの刺激に誘引されたり、過去の学習で強化されてきた結果によって引き起こされるものも多くあります。
こういった自分の意思ではなく、誤った行動学習をしていることを「誤学習(ごがくしゅう)」といいます。
問題行動や誤学習を減らし、適切な行動が増えるように促すことが大切です。
そのためには分析も必要になります。
次回ABAによるABC分析なども踏まえて続きを書いていきますね。
いつもお読みいただき、ありがとございます。
療育のお話第32回「認知の発達 中編」
教室の毎日
25/03/26 10:18
