療育のお話第34回は「遂行機能から考える①」について書いていきます。
指示されないと行動できない
時間や期日が守れない
忘れ物が多い
同じ失敗を繰り返してしまう
注意してもなかなか変わらない
衝動的な行動が多い
行動や感情のコントロールが難しい
あとのことを考えて行動できない
複数の作業ができない
こういった行動の多くは、「遂行機能(すいこうきのう)」と呼ばれる脳の働きの弱さが原因となって起きると言われています。
一見するとそのお子様の性格や心的な努力不足のように思われてきたものですが、遂行機能の問題で起きている場合、子どもの性格や意思の弱さだけの問題でもなく、親の育て方だけが悪いわけでもありません。
遂行機能は「実行機能」とも呼ばれ(英語:Executive function)、私たちは歯磨きや服の着替え、ごはんを食べるなど、時間内にどれくらいで、どのような行動を行うかを考えて行動を行っています。
ほぼ無意識的に動く遂行機能がうまく働かないと日常生活でいろいろな困難さを抱えてしまいます。
社会やルールなどはこの遂行機能が成り立つ前提でできていることが多いからです。
現代社会では、自分の感情や行動を制御して、未来を考えて適応的な行動をとることが求められます。
この遂行機能は、脳の病気や事故などの外傷、酸欠、感染症などで問題になることも多いですが、発達障害のお子様の中でも先天的に問題を抱えているケースも非常に多いと言われています。
この遂行機能が大きくかかわる脳の場所は、前頭葉です。
前頭葉は脳の各部位と繋がっており、必要に応じて調整機能の役割を果たします。
前頭葉は、
○達成感などの気持ちや感情がわく
○怒り等の感情の抑制
○時系列で考える
○過去から学び、未来を予測する
等の働きを持ちます。
前頭葉の発達が遅れると上記などの前頭葉の機能がうまく働けなくなります。
次回また詳しく書いていきますね。
療育のお話第34回「遂行機能から考える①」
教室の毎日
25/03/26 10:18
