療育のお話第36回は「遂行機能から考える③」について書いていきます。
遂行機能の発達が遅れているお子様は「今感じている世界」に生きているといわれています。
そのため過去のことと紐づけたり、このあと何が起こるかの推測が難しくなってしまいます。
そのため今感じていることや興味に行動が直結します。
人によっては漠然とした「不安」を抱えて、安心できない状況のお子様もいます。(その不安を解消するために常動行動を起こしたりすることもあります)
言葉がでない、出せない場合はその内的な苦しみも周囲に理解されない場合もあります。
すべては理解できないとしても、そういったことでうまくできないことがあることを知ることはできます。
同じ失敗で叱責されたり、怒られることによって自信を失ったり、自尊感情が低くなることで2次障害をもたらすことはできれば減らしていきたいですね。
遂行機能には大きく分けると6つの要素があるといわれています。
①取りかかり(課題を整理して優先順位をつけて計画的にとりかかる)
②焦点化(注意を払って行動する)
③努力(課題を達成するために粘り強く努力を続ける)
④感情調整(欲求や感情をコントロールする)
⑤記憶(必要に応じてワーキングメモリ―を活用できる)
⑥客観視
これら6つが協働して遂行機能は成り立ちます。
このどの部分に苦手さを感じるかを理解していくことが大切になります。
うまくできなくても練習やトレーニング次第でできることが増えたり、お家と連携することで発達を促すことも可能になります。
また次回続きを書いていきますね。
療育のお話第36回「遂行機能から考える③」
教室の毎日
25/03/31 11:40
