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発達障害の症状と対応について

教室の毎日
KIDSBASEさんかくの田原(公認心理師・臨床心理士)です。
今日は発達障害について考えてみたいと思います。
現在、発達障害とは神経発達障害(neuro developmental
disorder)と呼ばれるようになり、染色体との関連が指摘されるようになっています。つまり、親御さんの育児が問題という考え方自体が古くなっているように思います。症状は、知的障害から注意欠陥や多動性、衝動性(注意欠如多動症:ADHD)、想像力の欠如、対人関係の苦手さ(自閉スペクトラム症:ASD)、書字障害、読字障害、計算障害(限局性学習障害:SLD)、運動性障害、チック、吃音等、さまざまな症状が連続的に起こります。これまでの対応としては、子どもの良いところに注目して成功体験を積ませ、自尊感情を高めることが良しとされてきたように思います。実際、これまで小、中、高校、大学で勤務してきましたが、発達障害の傾向をお持ちのお子さんはどこにでも存在いたします。例えば、中学校に進級し、ADHDの症状は治まってきたが、ASDの症状が気になってきた、こだわりが強く切り替えができないため集団生活が難しい、友達とは楽しく遊べるが勉強ができない等のお話をよく耳にします。お子さんの成長とともに治まっていく症状もありますが、成長しても残ってしまう症状もあります。そこで必要な視点は、「適応」だと思います。どんな傾向があっても「適応」が良ければ何とかなることも多いのですが、学業不振や対人関係から不登校やひきこもりになってしまうケースも少なくありません。勉強ができないなら、どこでつまずいているのかを考えます。視覚情報の処理に苦手さがあれば、音声情報(繰り返し読みながら)で練習することや意味づけすることで覚えやすくすることもできます。対人関係に関しては、想像力が欠如しているなら、想像力を高めることが求められるし、アウトプットが苦手なら、語彙力を高めることが必要になります。また、こだわりや思い込みの強さ、切換え柔軟性のなさが集団生活に影響している場合には、認知の幅を持たせること、いろいろな経験や体験が大切になると思います。その子どもの能力も状態もさまざまなので、まずは個人の問題や課題を明確にすることが不可欠です。もちろん放っておいても子どもは成長するかも知れません。しかし、その成長の質を少しでも高めることができれば、よりよい将来を創造できるのではないでしょうか。

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