ボディ・イメージとは、自身の身体感覚の記憶の痕跡であり、右脳の頭頂葉に記号として貯えられています。右脳の機能は、左手や、左視野、右耳、立体認知、空間的構造、簡単な言葉の理解、非言語的観念構造を司る部位であり、絵画的、音楽的、直感的とされています。左脳の機能は、右手や、右視野、左耳、立体認知、言語、書字、主言語野、計算を司る部位であり、観念的、算術的、論理的とされています。人は、右脳と左脳の両方を巧みに使いながら行動しています。
例えば、トラが近づいてくるのを見たとき、人の認知の働きはどのようになるでしょうか。まず、人の網膜に捉えられたトラの映像は電気信号に変換され、後頭葉に送られます。次に、頭頂葉で記憶の痕跡を辿り、知っているか知らないかを選別します。過去にトラを見たことがあれば、知っていると判断されるわけです。その後、左脳で外敵と判断されると闘争・逃走反応(闘うか逃げるか)の判断、選択がなされます。そして、運動中枢に電気信号が届いて、はじめて両足が動いて逃げるのです(あまり闘う人はいない笑)。これらの作業が一瞬で行われるわけです。
また、未就学児のケースでは、左利きを右利きに直してしまうだけで、吃音(どもり)やチックが生じるケースもあるようです。その理由は、脳で機能する部位が右脳から左脳へ転換されるためです。そもそも使われていなかった脳の部分を使おうとしているわけですから、仕方がない場合もあるのかも知れません。子どものボディ・イメージを鍛えようとするなら、上述したトラの時のように、刺激→認知→行動を適切に行えるようにすることが大切になります。その方法は、運動を通して行うばかりではなく、経験や体験を通してイメージ力や知識量を高めることも重要になると考えられます。
ボディ・イメージと脳機能
教室の毎日
21/03/18 09:59