今日は愛着についてお話しします。
ボウルビィによれば、愛着は、ある特定の親密な養育者との間に形成されるものであり、それが阻害されると、愛着は形成されづらいと言われている(養育的母性の剥奪)。愛着形成の始まりは、赤ちゃんとお母さんとの絆のようなものだと思われます。その愛着に問題が生じると、IWM(内的作業モデル)がうまく機能せず、大人になってから対人関係に支障をきたすと言われています。そもそも母子間において絆のような感覚が乏しいわけですから、その他の人とも絆のような愛着を形成できないのでしょう。
○○による、アカゲザルの愛着の実験があります。ここで質問。アカゲザルの赤ちゃんが抱きついて離れなかった(愛着を示した)のはどちらの人形でしょうか。
①針金に布が巻かれた人形
②針金のみでミルクが出る人形
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答えは、①です。
この結果から、食よりも肌の方が愛着形成には必要とされました。しかし、その研究には後日談があります。成長とともにその猿は群で過ごすことができなくなってしまったと言うのです。人の手によって母猿から離された結果…IWMが…。
子どもが、自分は愛されている、大切にされていると自覚することはとても重要なのだと思います。少し家族間のコミュニケーションを工夫するだけで、もしかしたら、その子どもの自覚は変わるかもしれません。また、IWMに関しては、大人になってからでも重要な他者(例えば、恋人や親友、師匠等)との関係次第では更新される可能性があると言われています。人が社会の中で生きていくためには、誰かに必要とされている、一人ではないと自覚できることも重要なのだと思います。
愛着形成について
教室の毎日
21/03/05 18:24