とある平日の午後3時。
先生の頭の上にあるアンテナは、右を向いたり、左を向いたり、ときに、後ろも確認。
大忙しです。
なぜなら、この時間は、みんなからの「送信」がとても多くなるからです。
ほら、教室の隅に置いてある、宇宙椅子の中から、何か困っているような信号が送られてきました。
手にお気に入りのオモチャを一つ持って、宇宙椅子の中に座る男の子。
どうやら、みんなの輪の中に、入ろうか、入るまいか悩んでいるようです。
「本当は入りたい!」と思っていることが、はっきり伝わってくるときは、先生、迷わず宇宙たまごに駆け寄って「いっしょに遊ぼう」と声をかけます。
だけど、今日は、まだそこまで気持ちが強くないみたい。
「おーい、何してるんですかー!?かくれんぼですかー!?」静かに宇宙椅子のそばに行きます。
すると、静かに宇宙椅子の蓋が開いて、テレくさそうにはにかんだ笑顔で、「そうだよ!」と言ってくれます。
どうやら今日の彼は、もう少し、ここでエネルギーを補給したいようです。
しばらく、幼稚園でのお話をしたりして過ごします。
ふと視線を感じて顔を上げると、何やら「近くに行こうか行くまいか」悩んでいる様子の男の子がいます。
教室に通ってくれているお子様たちの中には、とても繊細で、相手の立場や状況を考えすぎてしまう子もいます。
先生、手でスマホを持つ素振りをして、彼に声をかけます。
「ウーバーお願いしまーす!」
すると満面の笑顔で「はいはーい!!」「ご注文はなんですかー!?」と来てくれます。
4歳を過ぎるころくらいからでしょうか。
子どもたちは、いつも自分を大切に思ってくれているご両親やおじいさま、おばあさまだけではなく、幼稚園や保育園のお友達だったり、先生だったり、こういった教室の先生であったり、いわゆる第三者からの「注目」がほしい、自分を知ってほしい、認めてほしいと思うようになるようです。
子どもたちは、その成長過程で「聞く」ことをたくさん求められます。
では、大人はどうでしょう?
大人たちには、その子どもたちを「見る」そして「気づく」ことが求められるのかもしれないと、先生は思うのです。
だから、先生はいつもアンテナをグルグルグルグル何度も回転させて、今日の○○くん、今日の○○ちゃんの様子を見続けます。
そして、必要なときに、必要な声がけができるようスタンバイします。
だけどね、中々、その送信に気づけないときがあります。
聞こえていたのに、うまく受け取れなかったこともあります。
どうすれば、その子の苛立ちを抑えてあげれたのか、もっと早く、予測されるであろうことを伝え、こころの準備をさせてあげれば良かったのか、
それは先生が、先生になってからずっと続く課題です。
みんなが、すこしでも生きやすい未来を過ごせるように。
それは、教室の先生、みんなの課題であり、願いです。
そのためにも、今日も先生たちはアンテナをグルグル回し続けます。
大丈夫、どんな声でもいいから、伝えてみてね。
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てらぴぁぽけっと 籠原駅前教室
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申し訳ございません。
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先生のアンテナ
教室の毎日
22/12/12 16:05