発達に障害がある子供には勝ち負けに異常にこだわり過ぎて、負けた後にかんしゃくを起こしたり、とても落ち込んでしまったりする子がいます。中には「負けるのが嫌だから」と最初からゲームに参加しない子もいるほど、そのこだわりは強いものです。勝ち負けにこだわり過ぎて、負けた時に何かしら理由をつけて負けを認めずに、トラブルに発展することもよくあります。
どうして勝ち負けにこだわり過ぎるの?
遊びやゲームで負けることは誰にとってもうれしいことではありません。ですが、ほとんどの人は負けて悔しい気持ちがあっても、どうにか折り合いをつけます。しかし発達障害の子供はこの折り合いをつけることが上手くできません。ですから異常にこだわってしまうのです。理由をくわしく説明します。
負けた時のイメージがない
発達障害の子供には先のことを予想したり、物事をイメージしたりすることがあまり得意ではありません。勝ち負けのある場合は「自分は勝つ」と思い込んでいるので、負ける可能性を予想したり、負けた時のイメージを持ったりすることがますます難しくなります。
発達障害の子供は、予想できない状況では強い不安に陥りやすくなります。ですから不安な状況にならないように、予想していない負けという状況をなかなか認めようとしないのです。
悔しい感情をコントロールしにくい
発達障害の子供は感情をコントロールするのが苦手な傾向もあります。予想していなかった敗北は気持ちを不安定にします。不安定な気持ちでは、「悔しい」という感情をますます上手くコントロールできません。結果的に感情を爆発させ、かんしゃくを起こして、周りを困らせてしまうのです。
負けはダメだと考えている
発達障害の子供は、「負けても内容はよかった」「勝利だけが価値があるわけではない」というような複雑な考え方が苦手です。勝つことだけが目的になりがちで、ゲーム自体を楽しむ余裕はありません。
「勝ち=よい、負け=ダメ」と考えて、「負けた自分はダメなんだ」という極端な考え方に行きついてしまいます。結果として異常に落ち込んだり、ダメな自分にならないようにゲームに参加しなかったりという行動が見られるのです。
勝ち負けにこだわり過ぎないようにするには?
みんなが楽しめるルールを考える
勝負を始める前に「負けても文句を言わない」「負けそうになっても途中でやめない」など勝ち負けに関するルールをしっかり決めて、本人にも納得させておきましょう。ルールが決まっていることで気持ちにブレーキがかかり、トラブルが起きにくくなります。
また1回勝負ではなく、3回や5回など複数回勝負にする方法も有効です。一度くらいは勝ちを味わえるので、そこまでムキにならず楽しく勝負に参加できます。
負けることを想像させる
予想しない負けは気持ちを不安定にします。勝負に参加する前に負ける可能性もあることを説明して、負けた時のことを想像させましょう。
また「負けはダメなことではない」ということも分からせる必要があります。「負けたら、次にがんばればいい」という前向きな考え方も教えていきましょう。
一緒に遊ぶ相手を意識させる
一つのことに集中し過ぎる傾向がある発達障害の子供は、自分のことしか考えらえず、相手の存在を忘れてしまいがちです。相手の存在や相手がどんな気持ちかを意識させるような声がけをしてあげましょう。
「さくだいらキッズらぼ」ではアナログゲーム療育で支援します
「さくだいらキッズらぼ」では、「アナログゲーム療育」をプログラムに取り入れています。「アナログゲーム療育」とはボードゲームやカードゲームによって、ルールの大切さやコミュニケーションを学ばせる支援方法です。
勝ち負けにこだわり過ぎるお子さんには、仲間とゲームで遊んでいる時に声がけをして、適切なコミュニケーションに導いていきます。
アナログゲームは勝敗が決まるものだけではありません。仲間といっしょに目標を達成する「協力ゲーム」では仲間との協力の楽しさを学べます。そうしたゲームも取り入れて、いっしょに何かすることの楽しさを子供たちに実感してもらいます。
うちの子は勝ち負けにこだわり過ぎる・・・
支援プログラム
21/06/05 08:56