発達に障害がある子供によく見られるのが、やるべきことが多いと、何を先にやればいいか分からなくなること。優先順位が分からないので、あちこちに手を出して、結局何も終わらないこともよくあるのではないでしょうか。登校の準備をしなくてはいけないのに途中で遊び始めて、準備が間に合わずに結局親が手伝うこともよくあることですね。
どうしてやることが多いと優先順位がつけられないの?
状況判断や先の予想が苦手
発達障害を持つ子供は、今の状況を判断することが苦手です。「登校時間まで10分しかないから、急いで歯みがきと洗顔と荷物の準備をしよう」とは考えられません。
また先のことを見通すことも苦手です。「このまま遊んでいたら準備終わらずに遅刻してしまう」というような予想を立てられません。
今の状況が分かっておらず、先のことも予想できないので、どのように動けばよいかがよく分からないのです。
全体的に考えることが苦手
いくつかのやるべきことがある時は、やるべきことを全体的に考えて、どんな順番でやっていくか考えることが必要です。「これは重要だから先にやる」「こっちを先にやらないと、こっちは作業ができない」などと考えることで、初めて上手く複数の作業がこなせます。
ですが発達障害の子供は全体的に物事を考えることが苦手です。物事の全体像をつかめないと優先順位もつけられず、時間の経過も考えられないので、上手く作業をこなしていけません。
衝動性がある
注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供の特性である衝動性。この衝動性をあると、先のことを考えずに「やりたい」と思ったことや目についたことをすぐにやり始めてしまいます。
衝動性のある子は、もしやるべきことが分かっていたとしても、「やりたい」という気持ちを抑えることがなかなかできません。「ランドセルの準備をしなくてはいけないと分かっていたけど、気がついたら遊び始めていた」というような状況に陥りがちです。
記憶のシステムが上手く働かない
発達障害の子供は、記憶のシステムが上手く働かない場合があります。やるべきことをやっている途中に新しい情報が入ってくると、通常はやるべきことと新しい情報の2つの記憶が残るはずです。ですが発達障害の人は新しい情報をやるべきことに上書きしてしまいます。結果的にやるべきことは消えてしまい、新しい情報による行動を始めてしまうのです。
やることが多くても優先順位がつけられるようにするには?
やることの優先順位がつけられず、日常生活に問題がある場合は、優先順位のつけ方や優先順位どおりに行動できるようにサポートする必要があります。
優先順位を考えるサポートをする
まず優先順位のつけ方をいっしょに考えていくとよいでしょう。まずやるべきことを全部洗い出させて、優先順位をいっしょに考えていきます。優先順位のつけ方を具体的に教えることが必要です。「時間がかかるから先にやる」「これをやらないと他のこともできないから先にやる」「締め切りがまだ先だから後でやる」など、考え方を教えます。
優先順位を分かりやすく表す
優先順位が決まったら、衝動性や記憶の上書きに左右されないように、分かりやすく表示しましょう。メモやホワイトボードなどにやるべきことの順番を書いて、見やすいところに掲示しておきます。上手く動けるようになってきたら、時間配分も入れた計画表を作ってみると、時間を意識して動く練習にもなります。
「さくだいらキッズらぼ」ではプログラミング療育で支援します
私たちの教室ではプログラミング療育の教材「STEM-BOX」を導入しています。プログラミングは論理的な思考が重要で、曖昧な考えが存在しません。曖昧な考え方が苦手な発達障害の子供たち相性のよい分野です。
プログラミングとはコンピューターにさせる仕事を順序だてて書くこと。適切な順番で書かなければ、コンピューターは思い通りに作動しません。こういう特性のあるプログラミングを学習していくことで、順序だてて物事を考える力を伸ばすことができます。
2020年に小学校、2021年に中学校で必修化されたプログラミング。プログラミングを定期的に学んでいれば、学校でのプログラミング授業にも前向きに参加でき、自己肯定感を育むチャンスになります。
やることが多いと優先順位を付けられない・・・
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21/06/29 00:51