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横浜市認証指定事業所 FORTUNA(ふぉるとぅな)中川教室のブログ一覧

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初めての卒業式

教室の毎日
こんにちは都筑区の放課後等デイサービス FORTUNAです。



昨日もキレイな制服に身を包んだ子どもと保護者の方が歩いている姿を見かけました。いよいよ卒園、卒業のシーズンですね。この時期は子どもたちにとって、期待と不安が入り交じる複雑な気持ちになるものです。



それは教師にとっても同じことで、今まで散々悪さをして迷惑をかけられてきた(笑)子どもたちが、明日からいなくなるのだと思うと”この先大丈夫だろうか”と不安な気持ちと少し寂しい気持ちになったのを覚えています。



今から30年以上前の話で恐縮ですが、初めて6年生の学年主任と担任をしていたときの話です。初めて経験した6年生で、初めて学年主任となった私が彼等の卒業式のしきり役となったわけです。



当時は今ほどコンプライアンスというものに厳しくなく、今でいう昔の教育を行っておりました。なので、式辞に対してはかなり厳格に行うことが普通に求められていました。



(注意)今からの話しは30年前の自分の話であり、今の時代の卒業式を私は知りません。厳しすぎると言うご意見もあるかもしれませんが、ご了承ください。また、話が長いので無理をしてお読みにならなくて結構です。



卒業式の練習はかなり厳しく行いました。卒業式のための練習時間を確保するために授業を練習に変更したり、進捗状況が遅い場合は放課後に残って練習したりと大変でした。一番大変だったのは、卒業式という小学生時代の最後の大イベントであることを子どもたち自身に理解させることでした。



思春期や反抗期に入っている子どもも中にはいるため、「面倒くさい」「格好悪い」などという児童も多くいました。その都度、式の重要性を説くのですがなかなか理解してくれません。時間も迫っており、最後は自分の想いのまま式の練習を続けることにしました。



小学生時代最後の挨拶となるので、まずは大きな声で元気よく返事をすることを目標としました。子どもたちに「6年◎組 出席番号○番 □○△男」と呼ぶと大きな声で「ハイ!」と返事をして、直立姿勢で立つことになっています。大抵の子どもたちは大きな声で次々と返事をして立っていくのですが、中にはふざけて「はーい」とか何も言わずに立つ者などもいました。その瞬間、「はい。ダメ。やり直し」と私の大声が講堂に響きわたり講堂は静まりかえりました。ニタニタ笑いながら同じことを繰り返していた子どもたちには、「これだけ話をしてもみんなに迷惑をかけるなら、卒業式に参加しなくても構わないから帰れ!」と注意したこともあります。そのうち真面目に参加している他の児童から「いい加減にしろよ」「真面目にやって」という言葉と下校時間が過ぎても出来るまで続けるという私の本気度をみて、ふざけていた子どもたちも焦り始めました。(不真面目な行為を行う子どもの親も含め色々ご意見も頂きました。教育委員会からもお話しがありました。しかし、大多数の真面目に取り組んでいる子どもたちの最後の舞台である卒業式の責任者として、最後まで自分のスタイルを貫きました)

6年生 4クラス 総勢約220名がぴったりと出来るまでそれを繰り返しました。(219人目がふざけた場合でも1からやり直しです)

式の練習は3週間前から始めました。厳しい練習を開始してから1週間位で、ふざける子どもはいなくなり、けじめをつけて式に参加できるようになってきたのですが、220人もいるので、中には悪気なくボーっとして集中が出来てない子もいて、なかなか100%が達成できません。それでも、私は諦めませんでした。結果、卒業式1週間前に何とか100%達成できました。

100%が達成できた時、最初ふざけていた子どもや反抗していた子どもも含め、子どもたち同士でハイタッチやハグ、「よっしゃ!」「できた!」という雄叫び、中には涙を流す子どももいてクラス関係なく220人全員で喜びを爆発させていました。

一度できて、”やればできる”と自信と達成感を味わった子どもたち。そのあとの1週間は、非常に楽で、式の流れを円滑に進めるためにスピードアップなどの時間調整に当てることが出来ました。



卒業式前日。初めての6年生の学年主任であり最後の大イベントとの大役。子どもたちは本当に上手くできるのであろうかと緊張、不安、期待と、その夜は殆ど眠ることが出来ませんでした。

そして卒業式当日。朝起きて、式が上手くいくかということが気になるかと思いきや、学校に朝一番について誰もいない教室に入り机を見て最初に思ったことは、「今日でこの子たちともお別れか」ということでした。

職員朝礼が終わり、教室に戻ると少し緊張気味の子どもたちが真剣なまなざしで私語も無く静かに座っていました。

それを見て”この子らはしっかりと育ってくれたんだ”と確信し、凜々しい姿を見て”よくここまで育ってくれたな”と涙が出そうになりました。

しかし、卒業式は今からです。涙をこらえ「これから卒業式だが、練習したとおりで大丈夫。君たちならできる。よく頑張った。自信を持ち胸を張って卒業しなさい」と言うのが精一杯でした。



時間が来て6年生全員が整然と廊下に並びます。私語は一切ありません。講堂に向かう途中も一人もふざけることなく、上履きの音しか聞こえませんでした。

卒業生の控えの教室で6年生の先生の代表として6年生全員に最後のお別れの言葉を述べました。

「苦しい卒業式の練習に耐え、乗り越えてくれたことに感謝している。先生たちは君たちが素晴らしい中学生になってくれると信じている。そのために最後の行事である卒業式を君たち自身で最高の式にしてきてくれ」

と言う言葉を残して、あとは他学年の先生に子どもたちを託したあと、6年生の先生たちは卒業入りました入りました。

今までは教職員席で何となく余裕をもっての卒業式だったのですが、今回は自分が仕切る一大イベント。式場前方は、マイクとグランドピアノ、来賓の方や職員の椅子がズラリと並んでおり会場内には保護者や関係者がすでにズラリと座られており、今までに無い緊張感に包まれました。私の席は最前列で校長、教頭、教務主任、そして学年主任の私の4名が1つのブロックで一番目立つところで、保護者の顔も丸見えで緊張感もMAXです。気分が悪くなるほどでした。



定刻になり、教頭の挨拶のあと、音楽の先生のピアノ演奏で式が始まりました。



教頭の「卒業生入場!!」の大きな声とともに、講堂の中央扉がバンッと開き、背筋をピンと伸ばし、一糸乱れず卒業生たちが入ってきました。まだ1クラス目の半分しか入場していない状態(それも担任していない別のクラス)で ”なんと凜々しい姿だろう” と思い、涙があふれ出て止まらなくなってしまいました。

お恥ずかしい話ですが、ハンカチで涙を抑え、ティッシュで鼻をかみ、一人小刻みに震えながら泣いてしまいました。そのあとも涙が止まらなかったので隣にいた先輩の教務主任の先生に小さな声で「馬鹿たれ!入場中に泣いてどうするんや。早くに泣きすぎや」と言われ笑顔で横っ腹に突きを入れられました。後ろにいた他の先生たちからも「鬼の目にも涙やな」「早ーい」とからかわれました。今、思い出しても懐かしい想い出です。このあともいろいろなことが起こったのですが、長いから省略します。

ともかく、式が全て終わった後の職員終礼で校長、教頭から「ここ最近では一番ピリッとした卒業式で、素晴らしかったです。初めての大役、ご苦労様でした。」と労いの言葉を頂きました。



これが私の経験した最初の卒業式の様子です。そのあと何回か6年生の学年主任として卒業式に参加しましたが、やはり一番最初が一番想い出深いです。

毎年、卒業式の季節になると、不思議なことにこの初めての卒業式の出来事を思い出します。

FORTUNAは、これからも「自分勝手な行動は謹み、公共の場ではけじめをつけ、他人に迷惑をかけない。みんなで協力し合い何かを成し遂げる」この方針で運営をさせて頂きますので、ご理解とご協力のほど宜しくお願い申し上げます。



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