こんにちは。都筑区放課後等デイサービスFORTUNAの公認心理師のK・Kです。
療育というと、大人はつい神経発達症を始めとした子どもの障害の部分に目を向けがちです。しかし、小学生は全ての面において発達の最中であり、大人から見ると不思議な行動でも、子どもの発達過程でよく見られる行動も多くあります。その皆が通る発達過程の行動に対して不安を感じている保護者の皆さまも多いため、この度、発達心理学から見た年齢ごとの定型発達について整理していこうと思います。
子どもの発達過程については世界で100年以上も研究が行われ、認知、身体、情緒の発達はある程度予測可能な軌跡をたどるとされ、これを専門的には定型発達と呼んでいます。この定型発達を知ることで、子どもの発達的に自然な行動を「おかしいのではないか」と心配せずに、子どもの成長を見守ることができます。一方でBurman (2008)では、「定型発達というのは、年齢別母集団から統計的に抽出されたものであって、したがってそれ自体がフィクションである。それぞれ異なる現実の子どもで、そのような基準にぴったりの子はいない」と述べています。子どもは発達的な準備が整った時に、自分のペースで成長していきます。発達段階の順序は予測することができますが、そのペースを予測することはできないのです。定型発達は1つの目安にすぎませんが、子どもがその発達段階に達した際に不安にならずに関われるよう、まずは6歳の発達を複数回に分けて整理していきたいと思います。また、文章簡略化のために言い切る形で述べることもありますが、定型発達はあくまで目安であり、全ての6歳児が定型発達の特徴を持つとは限らないことはご了承下さい。
6歳の発達を「脳や神経」「身体」「認知」「自我」「社会性」「関係性」の6つに分けて整理していきますが、まずは6歳の概要を簡単に述べたいと思います。6歳児はとても速いスピードで成長し、自分自身や周囲の環境の変化に葛藤を感じ、気分や考えがころころ変わります(Wood, 2007)。冒険心がある一方で、安心感を得るために習慣や決まったやり方を求めます。自分のスキルや能力を試したり、披露したりすることが好きですが、批判や訂正されることにとても敏感で、親や教師、仲間からの承認を強く求める(Petty, 2010)といった特徴がみられることがあります。
次回は「脳の発達と神経生物学」についてお伝えしたいと思います。
都筑区放デイFORTUNA 「6歳児の発達心理学」①
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25/06/11 18:35