自閉スペクトラム症 (Autism spectrum disorder: ASD) の診断基準 (@5_自閉スペクトラム症の特性 (1) 参照) 以外に、ASDの特性を測定する方法として、自閉症スペクトラム指標 (Autism-Spectrum Quotient: AQ) 児童用を用いた質問紙があります。
AQ児童用は、Baron-Cohen et al. (2006) によって対象児のASD特性を明らかにする指標として開発され、日本語版 (若林他, 2007) も作成されています。
内容はASDを特徴づける5つの下位尺度 (社会的スキル・注意の切り替え・細部への関心・コミュニケーション・想像力の各10項目) により構成されており、全体で50項目の質問からなります。AQ児童用は保護者など対象児をよく知る人による他者評定形式で、50項目の各内容について、対象児の普段の行動から判断して、「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」「どちらかといえばあてはまらない」「あてはまらない」の4段階の中で、最も該当するものを選んでもらいます。
得点はそれぞれの質問ごとに1点もしくは0点で割り振られており、該当する下位尺度の得点が高いほどASD傾向が強いとされます (最低0点,最高50点)。
参考文献
Baron-Cohen, S., Hoekstra, R. A., Knickmeyer, R., & Wheelwright, S. (2006). The Autism-Spectrum Quotient (AQ)--adolescent version. Journal of Autism and Developmental Disorders, 36, 343-350.
若林明雄・内山登起夫・東條吉邦・吉田友子・黒田美保,他 (2007). 自閉症スペクトラム指数 (AQ) 児童用・日本語版の標準化―高機能自閉症・アスペルガー障害児と定型発達児による検討― 心理学研究, 77, 534-540.
【自閉スペクトラム症の特性 (2)】
研修会・講演会
22/11/25 09:55