教室での授業にはなんとかついていけても、音楽の楽器演奏など手先を使うことが苦手ということはないでしょうか。
具体的な支援を含め解説していきたいと思います!
楽器演奏に関しては、
たて笛や鍵盤ハーモニカが小学校低学年でよく用いられるようですが、
無器用な子どもにとってこうした楽器はとても難しいものです。
特にたて笛は、手先の力加減のコントロールや左右別々の動きに加え、10本の指を別々に動かす必要があり、また胸の前で操作するため、指の動きを見て確かめることもできません。
さらに10本のすべての指の置く位置が違い、演奏では何度も同じ位置に指を戻さなくてはいけません。
指のイメージが不十分な子どもは、自分の指の位置や穴をきちんと押さえているか分かりにくく、さらに口唇と指のみで笛を支えなくてはならず、出す音によって支える指も変わるため、とても不安定になりやすいのです。
肩や肘の力が弱い子どもは、空中で笛を支え続けることも難しく、指先や唇に過剰な力が入りがちです。
すると指をスムーズに動かせないので、音を出すのに時間がかかってしまいます。
また、唇に力が入ると吹く力も安定せず、一定の音を出しにくくなります。
学校でよく使う笛は、特に低いドとレなど、左右のほとんどすべての指が確実に穴を押さえないと正しい音が出ません。
このように吹く強さの加減や穴のふさぎ具合がとても難しいのもこの笛の特徴です。
また、親指は無意識に支えに働くのですが、右の人差し指から小指をすべて伸ばさないといけない高い音を出すときや左手親指を離す場合、右の親指も一緒に離れやすい子どももいます。
すると支えが弱くなって落としそうになったり、戻す位置が違って穴が正確に押さえられなくなります。
加えて、楽譜を見ながら吹くためには、順序よく音符を見る目の動きや、楽譜の音と指の位置を覚えておくことも必要になります。
このようにたて笛は、不器用な子どもにとってはかなり難しい楽器の1つであることが分かります。
笛を支えるのに苦労している子どもには、机に肘を着いて体の支えを助ける方法や、ストラップをつけて落ちないようにする工夫もできます。
指のイメージが未熟な子どもの場合には、穴に白色のパンチシールを張ることで、鏡で穴をふさげているか確認しやすくなります。
楽譜の音符と指の位置が不明瞭な場合は、全ての楽譜に指の位置を書いてあげるとよいでしょう。
この場合、色別の小さな丸シールを子どもの爪と鍵盤ハーモニカの鍵盤に貼って、視覚的にマッチングさせる工夫も考えられます。
また、メロディーの最初から練習するのではなく、繰り返しの部分や出しやすい音から練習を始めたり、曲によっては指で押さえにくい小指や薬指の穴をシールであらかじめふさいでしまう手もあります。
そもそも世の中には様々な楽器があるのですから、全員に同じ楽器を習得させようとして無理にに難しい楽器を与えて苦しませるより、演奏の一部にのみ参加したり、指の感覚を育てやすい小さな弦楽器や、打楽器、歌や踊りなど、達成しやすく楽しく参加できる音楽活動を提供する配慮も必要だと思います。
【音楽が苦手?🤔】
教室の毎日
22/11/21 17:40