日頃からお手伝いをしている子なら馴染があるであろう洗濯バサミ。今日はこちらのアイテムを使った運動遊びをご紹介しますね。
題して「パッチン鬼ごっこ」。まず、一般的な洗濯バサミを20個ほど用意します。これをスタッフの体に取り付け、よーいどん!でスタッフが逃げ回る、子どもたちは追いかけて洗濯バサミを摘んで外します。
ベースは子どもたちの好きな鬼ごっこですが、ただ追いかけてタッチすればいいのではなく、「摘んで外す」という指先の細やかな動き「微細運動」も伴います。
また、そうした動作を行うためには、追いかけながら洗濯バサミがしっかりと見えていなければ成り立ちません。
離れた場所から洗濯バサミに視線を向け、遠近感のバランスをとり徐々に距離を詰める。眼球運動をフル回転させ、走りながら空間認知力を働かせる。さらには、どのタイミング、どの角度で腕をターゲットに向け指先を動かすか。
野生のチーターが離れた場所から猛スピードで獲物を捕らえる様子をイメージして頂くと分かりやすいかもしれません。
この運動遊びによって養われる力は2つあって、ひとつは「見る力」です。まず洗濯バサミを見て走る時の眼球運動。洗濯バサミを付けたスタッフが逃げ回るので、追従性眼球運動を鍛えることができます。そのうえで徐々にスタッフとの間合いを詰める時にはピントを合わせて両眼のチームワークが働きます。スタッフとの距離感を詰める時には空間認知力が働きどのタイミングで腕と手を動かせば良いかの判断を下します。そして、しかるべきタイミングで目と手のチームワークによって、摘むという行為が出力される。
見る力を養うことで、本がスムーズに読める、集中力がつく、落ち着いて話が聞ける、文章問題の理解が深まる、姿勢が良くなる、板書がスムーズにできる、字が綺麗に書ける、ボディイメージがつく、転びにくくなる、力加減ができるようになる、など様々な効果を期待できます。
2つめは微細運動のスキルです。指先が思うように動くことで、靴紐を結べる、ボタンの着脱ができる、歯を磨ける、チャックの開け閉めができる、箸やスプーンが上手に使える、など生活面の自立に繋がる効果を期待できます。
洗濯バサミを全身に取り付けたスタッフのビジュアルは少しユニークですが、子どもたちのウケは◎今後は洗濯バサミの数をもっと増やし、妖怪百目のようなビジュアルで子どもたちの度肝を抜きたいと思っています。
運動遊びvol.34/走ってつまんで!「パッチン鬼ごっこ」
教室の毎日
24/01/09 13:53