主活動に運動療育を取り入れているユリシス・キッズTakabata。鉄棒やマット運動、跳び箱、縄跳びなどといった小学校の体育で学ぶような運動を個別に行うこともありますが、せっかく大勢の子どもたちが集まっているので、やはり一番は「集団療育」の利点を活かした運動に尽きるのではないでしょうか。
集団療育の利点を活かした運動とは、一言で言えばチームワークで、培いたいのは「協調性」。協調性とは自分と異なる立場、違う意見や考え方を持つ人たちと協力しながら、同じ目標の達成に向けて行動できる能力のことを言います。より人間らしい営みとも言えます。
協調性を培うために行っている運動のひとつが、今回ご紹介する「ふわふわスティックバレー」です。使うのはプールスティックと風船。子どもたちにはプールスティックを1人一本持ってもらい、風船をラリー形式でレシーブするというもの。ルールや条件は「1回レシーブしたら次の人に交代」「連続でレシーブしない」「手でレシーブしない」「連続30回以上を目標とする」とました。
バレーボールのレシーブの要領で、とにかく床に落とさないよう集中してレシーブすることがポイント。操作性のある運動なので、まずはスティックの長さと風船との距離感を正確に捉えることが必要になります。この運動を通じて見る力と空間認知力、そして力加減やボディイメージが育ちます。
前半は個々でレシーブの練習を重ね、感覚を味わってもらい、楽しい!と感じてもらうところから。できる!楽しい!と徐々に実感してきたところで、後半はいよいよこの運動遊びの醍醐味「協調性」を育む「みんなでギネスに挑戦!」です。
実のところギネス記録が何回かは知りませんが、とにかく皆で力を合わせて記録に挑戦しようというものです。ルールは前述の通りで、とにかく床に落とさずに続けること。個々の頑張りはもちろんですが、それよりも仮に失敗しても、その失敗をカバーし合うことの方が重要で、子どもたちにはそういう意識が芽生えたらいいなと思います。
大記録を打ち立てた時の子どもたちの晴れやかな表情たるや、それはまるで甲子園で勝利した高校球児のよう。清々しくて爽やかで、充実感に溢れている。
こうした経験の積み重ねこそが大事で、子どもたちの明るい未来に繋がっていると信じています。
運動遊びvol.36/協調性育む「ふわふわスティックバレー」
教室の毎日
24/01/15 22:47