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「出来ない」「やりたくない」発達でこぼこのお子様の向き合い方

TOTOFULLからのおはなし
発達でこぼこのお子様は好き嫌いがはっきりしています。なので、やりたくない事や自分が出来ないと思っている事には、断固拒否したりしませんか?

脳の特性(欠如)上、定型発達ができる物事が難しく感じてしまい、やりたくない・できないと思ってしまいます。

それでも、成長しいく過程や社会に出て生活していく為には「出来るようになってほしい事」だげでなく「習得するべき物事」もあります。親としては、やりたくない・困難なことでも、挑戦して欲しい、頑張ってほしいと思います。
では、どのように声をかけるべきでしょうか。
やりたくない・出来ない物事は、発達障害に限らず辛い気持ちになりますし、難しいと思います。だからと言って何もさせないと今後お子様本人が困ってしまいますよね。人生に必要なものごとであれば、困難でも教えていかなくてはなりません。

☆まずは「座る」ところから

3歳の自閉症スペクトラムのYくんは、身体がものすごく大きくて履いてるオムツはビッグより大きいサイズ。それも、もうギリギリ・・・何度も漏れ出てズボンが濡れてしまう状況が続いていました。

幼児期のトイレトレーニングは定型発達のお子様の苦労も同じだと思いますが、いつまでもオムツで過ごす訳にはいきません。しかし、お家ではトイレに行こうものなら癇癪を起こし大暴れしてしまうので、「泣かせて、可哀そうだから」保護者の方はトイレトレーニングは断念していました。

Yくんは、濡れた服への過敏さや着替えもあまり好きではない活動なので、履けるオムツがなくなるとYくんの嫌な活動を増やすことになるので、どうにか『トイレで用を足す』が出来るようにしなければと、取り組んでいくことにしました。

まずは「便器に座る」から始めることにしました。

トイレにはお友だちが行くので近づいては行くのですが、素通りしていたのを、一瞬便器に座らせてみました。案の定嫌がり大暴れ!!それが何日も何日も続きました。長い道のりでした・・・

ある日、トイレに行くタイミングでオムツが濡れていない日がありました。加配につく保育士が大慌てでトイレにダッシュ!タイミングトイレでの排尿に成功したのです。(暴れながらなので、ついていた保育士もその周辺もおしっこまみれでした)

それでも、周りの保育者たち、お友だちみんなが拍手で喜んでくれて、Yくんは涙を手でこすりながら「嬉しいこと」と感じたのかもしれません。

☆濡れるのが嫌だから

トイレでの成功?が数回続いたので、パンツで過ごすことにしました。濡れた服をすごく嫌がるので、あえて濡らす経験をしてみたらどうだろうかと考えたのです。
この方法は、Yくんにはとてもよかったようで、濡れた事がすごく嫌で泣いて怒っていました。
出る感覚も少しずつ分かってきていたのもあり、尿意を感じた時に大きな声を出しながら部屋をソワソワと走りまわるようになってきたのです!そのアピールに気が付いた大人がトイレに一緒に行き、成功するという形になっていくまでには時間もかかりませんでした。

☆排尿、意思の伝え方を習得

走り回るYくんに、尿意を伝える方法も知らせていきました。言葉の出ていないので、「トントンと肩を叩く」「手を引っ張る」等の動作で伝えられるようにしました。
幼稚園へ進級する頃には、「あぁ!!」と大人の手を引っ張り、トイレに向かい、パンツ・ズボンを下げて立って出来るまでになりました。
もちろん最後は「あぁ~!!」と盛大な拍手をします。ほめてもらえる事が嬉しくて嫌だったトイレ「やりたくない」事が自主的に出来る活動に変わりました。
Yくんは、排尿できるようになっただけでなく、してほしい事がある時には大人に知らせる方法も身に付ける事ができました。それ以外に着替えも一人でもできるようになりました!!

☆時間をかけて、ゆっくりと

お子様にとって嫌な事はなるべく軽減し、過ごしやすくしてあげる事はとても大切ですし、なるべくなら癇癪を起こして大暴れするようなことは保護者の方にとっても避けたいのが、本心ですよね。
だからと言って何もさせない事がお子様にとって本当にいい事なのかと考えてほしいなと思います。何もさせないのではなく、「これぐらいなら大丈夫かな?」「ちょっとだけならできるかな」という所から進めていけるとお子様にも負担がなく、できるのではないかと思います。

お子様の経験は成否にかかわらず行動することによって、成長させてくれます。
こうした体験を積み重ねていくことで、「やりたくない・できない」と思っている物事への理解が進んでいくのです。また、低くなりがちな自尊心も、難しいことでもできるようになると、精神面での成長もしていきます。

『お子様の将来に必要なことは何なのか』を考え、それをできるように導くことが、周りの大人や保護者の方にとって必要なことではないかと思います。

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