みなさんこんにちは。
フォレストキッズ八事教室の代表の森です。
フォレストキッズ八事教室は、名古屋市昭和区にある児童発達支援事業所です。発達に特性をもつお子さん一人ひとりの成長に合わせて、言語聴覚士や作業療法士、保育士など多職種のスタッフがチームで支援を行っています。遊びや学びを通して「できた!」という成功体験を積み重ね、子どもたちの可能性を広げていけるように取り組んでいます。また、保護者の方々の不安や悩みに寄り添いながら、共に歩んでいく場でありたいと考えています。
教室で日々の支援を行う中で感じるのは、子どもたちの小さな挑戦や一歩が、やがて大きな成長につながっていくということです。そして家庭でも同じように、日常の中でのちょっとした関わり方や工夫が、子どもの行動や気持ちを変えていく瞬間があります。
ただ、親としては「子どもの意思を尊重したい」という思いと「どうしても必要なことをしてもらわなければならない現実」との間で揺れ動くことも少なくありません。その葛藤を抱えながら、日々の生活の中で我が息子と向き合っています。今回は、そんな私自身が感じた家庭での出来事を一つご紹介したいと思います。
睡眠と薬をめぐる日常
我が息子は、重度の知的障害と自閉症があり、さらに睡眠障害を抱えています。主治医からは「メラトベル」という薬を処方されていて、毎晩寝る前に服薬を続けています。
すぐに命に関わるものではありませんが、睡眠を上手に取れないことは、我が息子の日中の活動に大きな影響を及ぼします。睡眠不足が続けば、発達にも悪影響を及ぼし、情緒が不安定になってしまうこともあります。そして何より、家族全体の生活リズムにも影響してしまうため、私たちにとって「薬を飲んで眠れること」はとても重要な日課なのです。
ところが、つい先日、普段は比較的スムーズに飲んでいるのに、その日に限って強く抵抗したことがありました。「飲みたくない」と首を振り、泣きながら拒否する気持ちを伝えてきました。その姿に「どうすればいいだろう」と親として迷う瞬間がありました。
交換条件と葛藤
そして私は、母親への強いこだわりを持つ我が息子に、「薬を飲まないとお母さんと一緒に寝られないよ」という交換条件を提示しました。結果的に「お母さんと一緒に寝たい」という気持ちが勝ち、泣きながらではありますが、薬を飲んでくれました。
ただ、このやりとりを振り返ると、心の中には葛藤が残りました。我が息子はまだ自分の意思をうまく言葉で表現できません。だからこそ「本人の意思を大切にしたい」という気持ちが強くあります。それでも、睡眠障害の影響を考えれば「どうしても飲んでもらわなければならない」という現実があります。
支援者の視点からの言葉
この出来事を、フォレストキッズ八事教室の先生に相談しました。先生からは、
「子どもの権利擁護の観点からすれば、交換条件を出す方法は好ましいわけではない」
と教えていただきました。
けれども同時に、
「命を守るための服薬は最優先されるべき。親としての判断は自然なこと」
という言葉もいただきました。
さらに、少し違った視点として、
「交換条件を提示したことで“見通しを持って行動できる”という成長が見えているのかもしれない。それは心の発達の一歩として前向きに捉えてもいいのではないか」
とも言っていただきました。
この言葉に、親としてとても救われました。もちろん「使いすぎには注意が必要」との助言もいただきましたが、我が息子の成長の一面として前向きに考えることができ、少し気持ちが軽くなりました。
本人の意思を守るということ
我が息子は、言葉で気持ちを十分に表現することが難しいです。だからこそ「どうすれば本人の意思を大切にできるか」を常に考えています。時には本人の望みに沿わないことを選ばざるを得ないこともありますが、そこに「納得できる工夫」や「見通しを持てる支え」を少しずつ積み重ねていきたいと考えています。
おわりに
今回の出来事を通して改めて感じたのは、子どもと向き合う毎日は「正解を一つに決められない場面の連続」だということです。本人の思いや意思をできる限り尊重したい気持ちと、家族の生活や健康を守るためにどうしても譲れない現実。その両方を抱えながら、親として試行錯誤を重ねています。
きっと同じような状況に直面しているご家庭も少なくないと思います。その時々で揺れる気持ちや判断の迷いは、決して「親として弱さ」ではなく「子どもを大切に思うからこそ生まれるもの」なのだと、自分に言い聞かせています。
これからも、私自身が日々の生活の中で気づいた小さなエピソードを言葉にしながら、同じ立場の保護者の方と気持ちを分かち合っていければと思います。どうぞ引き続きお読みいただければ幸いです。
ありがとうございました。
ーーーーーーーーーー
フォレストキッズ八事教室
📞 TEL:052-846-5672
〈受付時間〉
平日 10:00~18:00
土・祝日 9:00~17:00
フォレストキッズ八事教室の代表の森です。
フォレストキッズ八事教室は、名古屋市昭和区にある児童発達支援事業所です。発達に特性をもつお子さん一人ひとりの成長に合わせて、言語聴覚士や作業療法士、保育士など多職種のスタッフがチームで支援を行っています。遊びや学びを通して「できた!」という成功体験を積み重ね、子どもたちの可能性を広げていけるように取り組んでいます。また、保護者の方々の不安や悩みに寄り添いながら、共に歩んでいく場でありたいと考えています。
教室で日々の支援を行う中で感じるのは、子どもたちの小さな挑戦や一歩が、やがて大きな成長につながっていくということです。そして家庭でも同じように、日常の中でのちょっとした関わり方や工夫が、子どもの行動や気持ちを変えていく瞬間があります。
ただ、親としては「子どもの意思を尊重したい」という思いと「どうしても必要なことをしてもらわなければならない現実」との間で揺れ動くことも少なくありません。その葛藤を抱えながら、日々の生活の中で我が息子と向き合っています。今回は、そんな私自身が感じた家庭での出来事を一つご紹介したいと思います。
睡眠と薬をめぐる日常
我が息子は、重度の知的障害と自閉症があり、さらに睡眠障害を抱えています。主治医からは「メラトベル」という薬を処方されていて、毎晩寝る前に服薬を続けています。
すぐに命に関わるものではありませんが、睡眠を上手に取れないことは、我が息子の日中の活動に大きな影響を及ぼします。睡眠不足が続けば、発達にも悪影響を及ぼし、情緒が不安定になってしまうこともあります。そして何より、家族全体の生活リズムにも影響してしまうため、私たちにとって「薬を飲んで眠れること」はとても重要な日課なのです。
ところが、つい先日、普段は比較的スムーズに飲んでいるのに、その日に限って強く抵抗したことがありました。「飲みたくない」と首を振り、泣きながら拒否する気持ちを伝えてきました。その姿に「どうすればいいだろう」と親として迷う瞬間がありました。
交換条件と葛藤
そして私は、母親への強いこだわりを持つ我が息子に、「薬を飲まないとお母さんと一緒に寝られないよ」という交換条件を提示しました。結果的に「お母さんと一緒に寝たい」という気持ちが勝ち、泣きながらではありますが、薬を飲んでくれました。
ただ、このやりとりを振り返ると、心の中には葛藤が残りました。我が息子はまだ自分の意思をうまく言葉で表現できません。だからこそ「本人の意思を大切にしたい」という気持ちが強くあります。それでも、睡眠障害の影響を考えれば「どうしても飲んでもらわなければならない」という現実があります。
支援者の視点からの言葉
この出来事を、フォレストキッズ八事教室の先生に相談しました。先生からは、
「子どもの権利擁護の観点からすれば、交換条件を出す方法は好ましいわけではない」
と教えていただきました。
けれども同時に、
「命を守るための服薬は最優先されるべき。親としての判断は自然なこと」
という言葉もいただきました。
さらに、少し違った視点として、
「交換条件を提示したことで“見通しを持って行動できる”という成長が見えているのかもしれない。それは心の発達の一歩として前向きに捉えてもいいのではないか」
とも言っていただきました。
この言葉に、親としてとても救われました。もちろん「使いすぎには注意が必要」との助言もいただきましたが、我が息子の成長の一面として前向きに考えることができ、少し気持ちが軽くなりました。
本人の意思を守るということ
我が息子は、言葉で気持ちを十分に表現することが難しいです。だからこそ「どうすれば本人の意思を大切にできるか」を常に考えています。時には本人の望みに沿わないことを選ばざるを得ないこともありますが、そこに「納得できる工夫」や「見通しを持てる支え」を少しずつ積み重ねていきたいと考えています。
おわりに
今回の出来事を通して改めて感じたのは、子どもと向き合う毎日は「正解を一つに決められない場面の連続」だということです。本人の思いや意思をできる限り尊重したい気持ちと、家族の生活や健康を守るためにどうしても譲れない現実。その両方を抱えながら、親として試行錯誤を重ねています。
きっと同じような状況に直面しているご家庭も少なくないと思います。その時々で揺れる気持ちや判断の迷いは、決して「親として弱さ」ではなく「子どもを大切に思うからこそ生まれるもの」なのだと、自分に言い聞かせています。
これからも、私自身が日々の生活の中で気づいた小さなエピソードを言葉にしながら、同じ立場の保護者の方と気持ちを分かち合っていければと思います。どうぞ引き続きお読みいただければ幸いです。
ありがとうございました。
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