前回、わかることがら、わかることばを増やすというお話をしました。
ことばが育つ中で欠かすことのできないものの一つに「概念」があります。
「概念」とは?
私たちの身の回りには無数のものがあります。
一つひとつを全く別個のものとして扱うのではなく、ある程度、似たもの同士を仲間として扱う整理をします。
例えば
柴犬やチワワ、ゴールデンレトリバーも犬、動画や絵本の中の犬、ぬいぐるみやロボットの犬もいます。
様々なタイプの犬に触れる中で、「犬」とみなします。
それを整理して分かりやすくしてくれるのが「概念」です。
「犬」のように「物の名前」だけでなく、色、形、大小、量、長短、数、時間、空間・位置などがあります。
・体験の中から「概念」を育てる
「難しそう」「どう教えたらいいの?」と感じる親御さんもおられると思います。
大小を例にとって考えてみましょう。
絵本を見せながら「ゾウは大きい」「ありは小さい」、おやつの大きさを比べたり、
お父さんのシャツは大きい、〇〇くんのシャツは小さいなど、生活の中で対比させます。
体で感じる大小、目で見てわかる大小に「大きい、小さい」ということばをのせていくことが必要です。
「ブカブカですぐ脱げてしまうお父さんの(大きい)靴」
「口いっぱいに開けてもかじれない(大きい)ハンバーガー」
「おしりが入らず座れない(小さい)ベビー用の椅子」
など、実際の大きい小さいを、自分の体を通して体験させましょう。
その際、必ず「大きい」「小さい」のことばをそえてあげることが大切です。
同様に、色や形、量などについても一つずつ体験に即して教えましょう。
・待たせる工夫で概念形成
待たされることによって期待がふくらみ、イメージが豊かになります。
これは、概念形成にとってとても大切なことです。
この子は待てないからと、いつも先回りしないで待たせる工夫をしましょう。
今回は、概念について、生活の中で取り組める工夫について話をしました。
お子さんと一緒に楽しみながら、ことばの土台を育てていきましょう。
「概念」を育てる (ことばの教室 みか先生)
教室の毎日
25/03/14 17:22
