こんにちは、発達支援Laboランプです。ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信しています。今回のテーマは「児童発達支援を『日常』・『非日常』と捉える視点」です。
児童発達支援の現場では、子どもたちが日々の生活の中で成長できるよう、多様なサポートが行われています。しかし、そのサポートの在り方を考える際、「日常」としての支援と「非日常」としての支援という2つの視点が重要になると考えています。
1,「日常」としての児童発達支援
「日常」としての児童発達支援とは、子どもたちが通常の生活リズムの中で継続的に受ける支援を指します。たとえば、日常的に通う保育園や幼稚園の延長線上で、療育が行われるケースがこれに該当します。この視点のメリットは、支援が日常生活に組み込まれることで、子どもたちが安心感を持ち、徐々に支援内容を生活の一部として受け入れやすくなる点です。さらに、保護者や支援者も日々のやり取りを通じて、子どもの成長を身近に感じやすくなります。
一方で、「日常」としての支援には課題も存在します。日々のルーティンに埋没してしまい、新たな刺激や発見が不足する可能性があることです。日常の繰り返しにより、子どもが発達支援を「当たり前」と感じてしまうことや、支援に対する興味や、自分で考える意欲が減退すること等も考えられます。
2,「非日常」としての児童発達支援
対照的に、「非日常」としての児童発達支援は、普段とは異なる特別な体験を提供することを目的としています。これには、特別なイベントやワークショップ、特定の時期のみ行われる支援プログラム等が含まれます。この視点のメリットは、子どもたちが新しい経験を通じて刺激を受け、成長のきっかけとなる瞬間を生み出しやすいことです非日常的な体験は、子どもたちにとっても記憶に残りやすく、新たなスキルの習得や自己肯定感の向上に寄与します。
また、たとえば、専門家による個別的なサポートや、特定のスキルを強化するための特別なグループセッションなどもこれに該当します。これらの活動は、通常のグループ活動や日常的な支援とは一線を画し、特別な環境や目的を持った場所と時間が提供されることで、子どもたちにとって新たな刺激と成長の機会となり得ます。
しかし、「非日常」としての支援にも注意が必要です。頻繁に非日常的な支援が行われると、子どもたちが期待感を抱きすぎ、日常の支援に対する関心が薄れる可能性があります。また、非日常的な支援は一過性のものであるため、持続的な成長を支えるためには、日常への部分的転換、日常の支援とのバランスを取ることが必要になります。
3,保護者や支援者への影響と期待
最後に、保護者や支援者がどのように児童発達支援を捉えるかも重要です。日常的な支援がどれほど大切か、また、非日常的な体験がどのようなインパクトを持つかを理解することで、より効果的な支援が可能になります。保護者や支援者が子どもの成長を見守りながら、適切なタイミングでの介入を行うことが求められます。
児童発達支援は、日常と非日常のバランスを考慮することで、子どもたちの成長をより効果的に支援することが可能です。日常の安定感と非日常の刺激をうまく組み合わせ、子どもたちが自分のペースで成長できる環境を整えることが、支援者や保護者にとっての課題であり、大切な目標の一つと言えるのではないでしょうか。
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第38回「児童発達支援を『日常』・『非日常』と捉える視点」
療育の深み
24/09/06 18:26