こんにちは、発達支援Laboランプです。ここでは、療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信しています。今回のテーマは「期待とリスク」です。
「風を待つ」という選択
期待とは、子どもが未来へ進むための航路に帆を立て、「風を待つ」ようなものです。私たちは子どもの成長を信じ、未来に向かって「このように進んでほしい」と帆を張ります。しかし、期待の帆が大きくなりすぎると、時に逆風を引き起こすこともあります。期待が重くなるほど、かえって子ども自身の力で進む自由を妨げるリスクが生じることもあるのです。
「期待を持たない」という選択は、風が吹くのをただ静かに待つようなものかもしれません。航海を始めたばかりの小さな船には、自然の風に任せてゆっくりと進む時間が必要です。にもかかわらず、進まないことへの不安や焦りから「もっと早く風に乗ってほしい」「この方向に進むべきだ」と、時に強く帆を張り替えたり、無理に風向きを変えようとすることがあります。しかしその結果、思い通りに進まないと感じたとき、期待が失望に変わり、子どもが無理を感じてしまうこともあるのです。
過度な期待は、結果が求めた通りでなければ不満や焦りを引き起こしがちです。その重圧が、子どもだけでなく、支援者や保護者自身にも影響を与える場合があります。子どもの未来に大きな期待を抱くことが、時に支援者や保護者の判断を曇らせることもあります。「この方向に進んでほしい」と願う気持ちが、子どもにとって無理な課題になったり、本来の成長を妨げることにもつながりかねません。
一方で、期待を一旦手放し、帆を少し下ろして自然に任せるという選択は、風を待つ間に新しい可能性を見出すことにもつながります。船が進む方向やペースを無理に操作せず、ただ見守ることで、子どもが自らの力で風を感じ、帆を張って進む瞬間を迎えられるかもしれません。支援者や保護者として、その風が吹く瞬間まで共に待つという姿勢が大切なのではないでしょうか。
このように、期待を手放し、自然の流れに従うことで「自ら進む力」が芽生えることがあります。これは、無理に進ませようとするリスクを冒さずに、子どもが自己の成長の風を捉えられるよう支える方法でもあります。ときに「進まなければならない」というプレッシャーのない航海にすることで、子どもはのびのびと自己を発揮し、発見の道を進むことに繋がると考えています。
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第62回「期待とリスク」
支援の背景
24/11/01 22:19