はじめに|スプーンがうまく使えない子は意外と多い?
「スプーンですくってもうまく口まで運べない」
「毎回こぼしてしまって食事に時間がかかる」
こんなお悩み、ありませんか?
当施設でもそんな相談を受けたりしています。
実は、スプーン操作の苦手さの背景には“手首の動かし方”が大きく関係していることがあります。
特に、発達の途中にあるお子さんは、「手首のひねる・返す・傾ける」といった細かな動きがまだ育ちきっていない場合も。
今回は、**スプーンが苦手なお子さんにおすすめの「手首を育てるトレーニング」**を、作業療法士の視点を取り入れてわかりやすくご紹介します。すべておうちで簡単にできる内容なので、ぜひ親子で楽しみながら取り入れてみてください。
スプーンを上手に使うには?カギは“手首の動き”
スプーンを操作するには、以下のような手首のスキルが必要です。
スプーンを水平に保つバランス感覚
手首を**内側・外側にひねる(回内・回外)**動き
すくったものを口元まで運ぶ角度調整
これらは、大人にとっては自然な動きですが、子どもにとっては「発達中のスキル」。
だからこそ、遊びの中で“手首を使う経験”を増やすことが大切です。
自宅でできる!スプーン操作につながる手首トレーニング7選
① 水運びゲーム(手首の傾ける力を育てる)
コップに入れた水をスプーンですくって、別のお皿やカップに運ぶ遊びです。
「こぼさないように…」と慎重に動かすことで、手首の角度をコントロールする力が養われます。
✦ポイント:
・水の量は少なめからスタート
・「うまく入れられたね!」と成功体験を増やすことが大切
② ペットボトルのキャップ開け閉め(手首の回す動き)
キャップを開ける・閉めるという単純な動作ですが、回外・回内の動きを自然に促します。
滑りにくい素材のキャップがおすすめ。
✦応用:
両手でペットボトル自体をねじる「しぼり遊び」も◎
③ タオルねじねじ遊び(左右の手を反対に動かす)
濡れたおしぼりやタオルを「ギューッ」と絞る遊び。
両手を反対方向に動かす力と、手首の柔軟性が育ちます。
④ ぐるぐるお絵描き(手首を回す柔軟性)
クレヨンやマーカーで「ぐるぐる」丸を描く遊び。
時計回り/反時計回りの両方を意識することで、手首の柔らかさ・しなやかさがアップ!
⑤ スプーンで小物をすくう(操作力UP)
豆、フェルトボール、スポンジなどをスプーンですくって別の容器に入れる遊び。
スプーンの角度、スピード調整など、食事動作に近い感覚を練習できます。
⑥ ハンカチふりふりダンス(手首の脱力とコントロール)
ハンカチやスカーフを持って、手首をひらひら・くるくる回すダンス遊び。
リズム感と同時に、手首を柔らかく使う動きが身につきます。
⑦ おたま運びゲーム(スプーンの大型版で感覚育て)
おたまやフライ返しにボールやスポンジを乗せて運ぶ遊び。
スプーンより大きいため、手首のバランス感覚を育てやすいのが特徴です。
日常に取り入れるコツ|「短時間+遊び感覚」でOK!
手首の動きは、筋トレのように「がんばって鍛える」ものではありません。
遊びの中で「自然と手首を使う場面」を増やすことがカギです。
練習は1日5〜10分でもOK
「やらせる」より「楽しむ」ことが継続のポイント
ごっこ遊びやお手伝いにも応用しやすい!
まとめ|「スプーンが苦手」は“育ちの過程”かもしれません
スプーンをうまく使えないことには、発達の個人差があります。
「できない=不器用」ではなく、必要なスキルがまだ育っていないだけかもしれません。
遊びながら手首を育てて、
“すくえた!食べられた!”という成功体験を重ねていきましょう✨
スプーンがうまく使えない子どもに効果的!
教室の毎日
25/05/23 23:22
