小雨が舞う中、窓から差し込む雨のしずくが、放課後等デイサービスの室内を暖かく照らしていた。子供たちの楽しげな笑い声と、おもちゃが転がる音、そして何やら真剣な議論が交錯する賑やかな空間。
今日のテーマは「箱の中身は何だろうな?」。様々な大きさや形をした箱が、テーブルの上に整然と並べられている。中にはタオルやボール、ぬいぐるみなど、子供たちが普段触れる身近な物が入っている。しかし、箱の中身は見えません。触って確かめることも、軽く揺らして音を聞くことも許されていますが、開けて確認することは禁止。子供たちは、限られた情報から想像力を駆使して、箱の中身を見抜こうと奮闘していました。
「これは…丸くて軽いから、ボールかな?」
小学3年生の陽太くんは、小さな箱を両手でそっと持ち上げ、慎重に揺らしてみる。その感触を確かめるように、目を細めて考えている。
一方、小学5年生の美咲さんは、大きな箱を前に、真剣な表情で考えている。「大きいし、ちょっと重たい…もしかして、ぬいぐるみ?」と呟き、箱の角を優しく触れて、材質を確かめている。
子供たちは、箱の大きさ、重さ、形、そして触感や音から、次々と推理を繰り広げていく。中には、予想が外れて悔しがる子もいれば、見事的中させて喜びを爆発させる子もいる。
スタッフは優しく見守りながら、子供たちが自ら考え、表現する機会を丁寧に与えていく。正解を教えるのではなく、彼らの推理過程を丁寧に聞き、論理的な思考や想像力を褒め、さらに深めていくためのヒントを与えていく。
そして、予想が全て終わったところで、先生は一つずつ箱を開けていく。中には、子供たちが予想した通りのものもあれば、意外な物が入っている箱もあった。
「わあ!当たった!」「えーっ、全然違ってた!」
子供たちは、結果に一喜一憂しながらも、皆笑顔で、今日の活動を終えるのでした。
この活動を通して、子供たちは想像力や推理力だけでなく、友達との協調性や、自分の考えを表現する力も育んでいったのです。そして、箱の中身という小さな謎解きを通して、大きな学びと、かけがえのない時間を共有したのでした。 次の日、またどんな箱が登場するのか、子供たちはわくわくしながら、明日の放課後等デイサービスを待っていました。
箱の中身はなんだろう?
教室の毎日
25/05/16 15:53
