放課後等デイサービスのキッチンは、子供たちの楽しげな話し声で満たされていた。今日の活動は、ベビーカステラ作り。たこ焼き器が、美味しそうな予感を漂わせる。
一人が、器用に卵を割り、ボウルに落としていく。黄身と白身が混ざり合い、とろりとした生地のベースが完成する。他の子供たちは、その様子を興味津々に見ている。
「牛乳、入れてもいい?」と、活発な子が声を上げ、慎重に牛乳パックから生地に牛乳を注ぎ込む。 そして、小さな子が、小さな手で丁寧に生地を混ぜていく。なめらかになるにつれて、子供たちの期待は膨らんでいく。
生地が完成し、たこ焼き器に流し込まれる。小さなベビーカステラが焼きあがる様子を見守る子供たちの目は、真剣そのものだ。焦げ付かないよう、こまめにひっくり返す様子は、まるで熟練の職人技のようだ。
焼きあがったベビーカステラからは、甘い香りが漂う。子供たちは、順番に出来立てを味わう。
「おいしい!」と、歓声が上がる。
しかし、一人の子が、自分の作ったベビーカステラを、他の子供たちに分け与えるのを忘れて、全部一人で食べてしまっていた。
「ねえ、僕にも分けて!」と、少し不満げな声が聞こえる。
その子は、慌てて自分の食べたベビーカステラを指さし、申し訳なさそうに説明する。
他の子供たちは、最初は少し残念そうだったが、すぐに許し、残りのベビーカステラを仲良く分け合って食べる。笑顔で、今日の活動は終了した。
放課後等デイサービスの温かい雰囲気の中で、子供たちは、協力すること、そして、失敗から学ぶことの大切さを、自然に感じ取っていた。
🥚ベビーカステラ作り🥞
教室の毎日
25/05/21 22:24
