保護者の方とお話をしていると、『問題行動への対応をどうしたらよいのか』についてのご質問をよくいただきます。
自分の子が問題行動を起こしたら、まず注意してやめさせることが、保護者として当たり前の動きなのではないかと思います。私自身も、子育て中には、「やめなさい!」「ダメでしょ!」などの注意の言葉を、どれだけ口にしたかわかりません。
でも、このような注意の言葉だけでは、なかなかお子さんに響きませんよね。
お子さんの問題行動を考えたとき、どうしてその問題行動を起こしているのか、その『きっかけ(原因)』を探らなくてはなりません。
ここで具体例を挙げてお話をさせていただきます。
<具体例>お菓子売り場で大泣きするAちゃん
Aちゃんはお母さんと一緒にスーパーへお買い物にいきました。お菓子売り場の前を通り過ぎたとき、Aちゃんがお母さんに「おやつ買って」といいました。お母さんは、「今日はおやつは買わないよ。」とAちゃんに伝えましたが、Aちゃんは大きな声で泣き出してしまいました。周りの人からの視線も気になり出したお母さんは、仕方なくAちゃんにおやつを買ってあげました。Aちゃんは泣き止み、おやつを持ってうれしそうにしていました。
上記は、お子さんと一緒にお買い物へ行けば、よくあるシチュエーションなのではないかと思います。この中には、問題点がいくつか隠れていますので、一つずつ挙げてみたいと思います。
①おやつを買わないことを事前に伝えていない。⇒ 見通しを持たせていない
②おやつを買い与えている。⇒ 言動に矛盾がある(「買わない」と言っているのに、結局おやつを買っている)
以上がこの状況下で考えられる問題点なのではないかと思います。
上記①②がなぜ問題行動につながるのかと言いますと、このようなことが何度も起こると、
『スーパーへ行けば、「買わない」と言われても、大泣きすることでおやつを買ってもらえる!』
と、Aちゃんが誤学習してしまうからです。
お子さんは小さいながらに日々学習し、多くのことを身につけていきます。よって、大人側の伝え方に問題があると、誤学習をしてしまい、好ましい言動が身につかなくなってしまうのです。
それでは、上記のケースに対しては、どのように対応したらよいのでしょうか?
①家を出るとき、スーパーに入る直前等、おやつを買わない旨を事前に伝える。⇒ 見通しを持たせる。
②お子さんの思いを受け止めつつも、言いなりにはならない。⇒ 「買わない」と言ったなら、必ず守る。気持ちの切り替えをするために、一旦お店を出てクールダウンする。または、保護者側から別の提案する。(「今日はパン(お子さんの大好きな物)を買おうね。」など)
子どもたちは、一度誤学習してしまうと、好ましい言動への切り替えが難しくなります。大人側が、子どもたちに対する接し方の意識を変えることで、子どもたちの言動を好ましい方向へ導いてあげたいですね。
問題行動への対処例1
教室の毎日
25/05/14 15:36
