療育の3本柱の3つ目は、社会面 【Social Skills Program ソーシャルスキルプログラム(SST) 】からのアプローチです。
「コミュニケーションが苦手」「すぐに爆発する」「気持ちを言葉にすることが苦手」など、自己統制の弱さは、不適切な行動につながりがちです。子ども同士、あるいはスタッフとの関わりの中で、無理に自分の主張を通したり、逆に我慢するのではなく、周囲の人に理解してもらいながら、適応的*な自己主張ができるようになることは、社会の中で、自分の力を発揮して生きていくための重要な力です。そのすべてが社会生活を送る上で大切なソーシャルスキルだと考えています。
*適応的とは:自分が望むことを、周囲の理解を得たり、ルールを守りながらできるようにすること
実体験からの学び
絵カードなどを用いた振る舞い方の学習に留まらず、できるだけ、実体験を通した学びを大切にしています。応用の利きにくいASD傾向の子どもでは、ソーシャルスキルを学んでも、日常に合わせて活用できないことが多くあります。
そのため、ベアービーのソーシャルスキルトレー二ングは、子どものコミュニケーションの発達段階をアセスメントした上で、小集団の遊びやカードゲームなどを通して、他者との関わりを楽しみ、自分の感情を理解すること、良い関係を作っていける力、トラブルが起こった時の振舞い方やアサーション*などを段階的・実践的に学ぶことを通して対人スキルを身につけていき、「社会生活を円滑えんかつに送るために必要な能力」を育みます。
*アサーション: 相手を尊重しながらも、自分の意見を主張して、相手に伝えることができるコミュニケーションスキル。例えば、おかしがもっと食べたいときには、ひっくり返って泣くのではなく、「もう一つください」と言ってみる。おもちゃを使いたい時に、友だちから無理に取り上げるのではなく、「貸して」と交渉したり、順番を待って使うといった行動です。
療育プログラム(5)
お知らせ
25/04/26 03:33
