こんにちは!
療育センターエコルドはぐみのおうちかすがい
理学療法士の内山隆範です。
僕はこれまで、総合病院でのリハビリや、利用者様のご自宅に伺う「訪問リハビリ」の現場に長く携わってきました。
その中で、何度も目にしてきた光景があります。
それは、「一生懸命やっているのに、なぜかうまくいかない」子どもたちと、その姿に悩む保護者の方々の姿です。
■ 「なんでそんな動きになるの?」病院と在宅の違いで気づいたこと
病院のリハビリ室では、患者様は運動に集中できます。
しかし、訪問リハビリで伺う「生活の場(お家)」は違います。
「だから気をつけてって言ったでしょ」
「なんでそんなに雑に置くの?」
食事中や着替えの最中、そんな言葉が飛び交う場面に何度も遭遇してきました。
* コップをガシャンと置く
* 家具に足をぶつける
* ドアをバタン!と閉める
病院では「麻痺」や「筋力低下」として評価される動きも、生活の中では「乱暴」「不注意」と受け取られてしまいがちです。
理学療法士として体の動きを分析してきた僕には、痛いほど分かることがあります。
それは、「彼らは決して、ふざけているわけでも、性格が乱暴なわけでもない」ということです。
原因は、性格ではなく「体の感覚(センサー)」にあることが多いのです。
■ 【専門家の視点】不器用さの正体は「固有受容覚」のズレ
僕たち理学療法士は、解剖学や生理学の視点から人の動きを見ます。
そこでカギとなるのが、筋肉や関節にある「固有受容覚(こゆうじゅようかく)」という感覚です。
私たちは目をつぶっていても、「自分の手がどこにあるか」「どれくらい肘が曲がっているか」が分かりますよね。
これは、筋肉や関節にあるセンサー(固有受容覚)が、脳へ正確に情報を送っているからです。
このセンサーの働きが未熟だったり、感じ取りにくかったりすると、どうなるでしょうか?
* 力加減が分からない → コップを強く握りすぎる、ドアを強く閉めてしまう
* 自分の体の幅が分からない → 人や物にぶつかる
本人は脳からの指令通りに動こうとしています。
でも、「ボディイメージ」という体の地図がぼやけているため、結果として動きが雑に見えてしまうのです。
■ 「乱暴」「不注意」と言われやすいサイン【こんな様子はありませんか】
訪問リハビリや療育の現場で、よくご相談いただくケースがあります。
* ハグやタッチが強すぎる(力のコントロールが苦手)
* よく転ぶ、家具にぶつかる(バランス反応や身体図式の未熟さ)
* 食事中に姿勢が崩れやすい(体幹を支える感覚が入りにくい)
* 箸やハサミなどを極端に嫌がる(道具の操作感がつかみにくい)
これらは、親御さんのしつけの問題でも、本人のやる気の問題でもありません。
「体のセンサーが、うまく情報を拾えていない状態」である可能性が高いのです。
■ 【おうちでできる運動療法】特別な道具はいりません
体の感覚(センサー)は、適切な刺激を入れることで育てることができます。
リハビリの専門的な道具がなくても、お家にあるもので十分に「感覚入力」の練習が可能です。
① 「運び屋さんごっこ」で関節に圧を入れる
水を入れたペットボトルや、本を入れた袋など、「少し重たいもの」を持たせてみてください。
筋肉や関節に適度な重み(圧)がかかることで、固有受容覚のスイッチが入りやすくなります。
② 「壁押し・床押し」で体を感じる
壁に手をついてグーッと押したり、床で手押し車をしたりする動きも非常に有効です。
自分の体重を支えることで、肩や腕の関節にしっかり感覚が入力され、「自分の体はここにある」という実感が湧きやすくなります。
③ 圧迫刺激で安心感を
布団やクッションで体を包み、ぎゅっと圧をかけるスキンシップもおすすめです。
体の輪郭がはっきりし、リラックス効果も期待できます。
■ 叱る前に「環境」を変える視点を
理学療法には「環境調整」という考え方があります。
本人の能力を変えるのには時間がかかりますが、環境はすぐに変えられます。
飲み物をこぼしてしまうなら、「何やってるの!」と叱る前に、
「今の体の感覚だと、このコップは難しいのかな?」と考えてみてください。
* コップに「ここまで」と目印をつける(視覚で補う)
* 滑りにくいマットを敷く
これだけで、失敗は減らせます。
「動作の失敗」を減らすことは、子どもの自信を守ることにもつながります。
■ 不器用さは「体が学んでいる途中」の証
リハビリの世界では、できないことを「ダメなこと」とは捉えません。
「どうすればできるようになるか、体の使い方を探っている段階」と捉えます。
もし今日、お子さんがコップを倒してしまっても、
「今、力加減のセンサーを調整中なんだな」
そう専門家のような視点で見てあげてください。
僕がエコルドで実現したいのは、病院のリハビリ室だけでなく、
日常生活という一番大切な場所で、子どもたちが「自分の体を好きになれる」ようなサポートです。
「わざとじゃない」という理屈を知るだけで、親御さんの心も少し軽くなるはずです。
体の使い方の悩みがあれば、いつでも私たち理学療法士にご相談ください。
療育センターエコルドはぐみのおうちかすがい
理学療法士の内山隆範です。
僕はこれまで、総合病院でのリハビリや、利用者様のご自宅に伺う「訪問リハビリ」の現場に長く携わってきました。
その中で、何度も目にしてきた光景があります。
それは、「一生懸命やっているのに、なぜかうまくいかない」子どもたちと、その姿に悩む保護者の方々の姿です。
■ 「なんでそんな動きになるの?」病院と在宅の違いで気づいたこと
病院のリハビリ室では、患者様は運動に集中できます。
しかし、訪問リハビリで伺う「生活の場(お家)」は違います。
「だから気をつけてって言ったでしょ」
「なんでそんなに雑に置くの?」
食事中や着替えの最中、そんな言葉が飛び交う場面に何度も遭遇してきました。
* コップをガシャンと置く
* 家具に足をぶつける
* ドアをバタン!と閉める
病院では「麻痺」や「筋力低下」として評価される動きも、生活の中では「乱暴」「不注意」と受け取られてしまいがちです。
理学療法士として体の動きを分析してきた僕には、痛いほど分かることがあります。
それは、「彼らは決して、ふざけているわけでも、性格が乱暴なわけでもない」ということです。
原因は、性格ではなく「体の感覚(センサー)」にあることが多いのです。
■ 【専門家の視点】不器用さの正体は「固有受容覚」のズレ
僕たち理学療法士は、解剖学や生理学の視点から人の動きを見ます。
そこでカギとなるのが、筋肉や関節にある「固有受容覚(こゆうじゅようかく)」という感覚です。
私たちは目をつぶっていても、「自分の手がどこにあるか」「どれくらい肘が曲がっているか」が分かりますよね。
これは、筋肉や関節にあるセンサー(固有受容覚)が、脳へ正確に情報を送っているからです。
このセンサーの働きが未熟だったり、感じ取りにくかったりすると、どうなるでしょうか?
* 力加減が分からない → コップを強く握りすぎる、ドアを強く閉めてしまう
* 自分の体の幅が分からない → 人や物にぶつかる
本人は脳からの指令通りに動こうとしています。
でも、「ボディイメージ」という体の地図がぼやけているため、結果として動きが雑に見えてしまうのです。
■ 「乱暴」「不注意」と言われやすいサイン【こんな様子はありませんか】
訪問リハビリや療育の現場で、よくご相談いただくケースがあります。
* ハグやタッチが強すぎる(力のコントロールが苦手)
* よく転ぶ、家具にぶつかる(バランス反応や身体図式の未熟さ)
* 食事中に姿勢が崩れやすい(体幹を支える感覚が入りにくい)
* 箸やハサミなどを極端に嫌がる(道具の操作感がつかみにくい)
これらは、親御さんのしつけの問題でも、本人のやる気の問題でもありません。
「体のセンサーが、うまく情報を拾えていない状態」である可能性が高いのです。
■ 【おうちでできる運動療法】特別な道具はいりません
体の感覚(センサー)は、適切な刺激を入れることで育てることができます。
リハビリの専門的な道具がなくても、お家にあるもので十分に「感覚入力」の練習が可能です。
① 「運び屋さんごっこ」で関節に圧を入れる
水を入れたペットボトルや、本を入れた袋など、「少し重たいもの」を持たせてみてください。
筋肉や関節に適度な重み(圧)がかかることで、固有受容覚のスイッチが入りやすくなります。
② 「壁押し・床押し」で体を感じる
壁に手をついてグーッと押したり、床で手押し車をしたりする動きも非常に有効です。
自分の体重を支えることで、肩や腕の関節にしっかり感覚が入力され、「自分の体はここにある」という実感が湧きやすくなります。
③ 圧迫刺激で安心感を
布団やクッションで体を包み、ぎゅっと圧をかけるスキンシップもおすすめです。
体の輪郭がはっきりし、リラックス効果も期待できます。
■ 叱る前に「環境」を変える視点を
理学療法には「環境調整」という考え方があります。
本人の能力を変えるのには時間がかかりますが、環境はすぐに変えられます。
飲み物をこぼしてしまうなら、「何やってるの!」と叱る前に、
「今の体の感覚だと、このコップは難しいのかな?」と考えてみてください。
* コップに「ここまで」と目印をつける(視覚で補う)
* 滑りにくいマットを敷く
これだけで、失敗は減らせます。
「動作の失敗」を減らすことは、子どもの自信を守ることにもつながります。
■ 不器用さは「体が学んでいる途中」の証
リハビリの世界では、できないことを「ダメなこと」とは捉えません。
「どうすればできるようになるか、体の使い方を探っている段階」と捉えます。
もし今日、お子さんがコップを倒してしまっても、
「今、力加減のセンサーを調整中なんだな」
そう専門家のような視点で見てあげてください。
僕がエコルドで実現したいのは、病院のリハビリ室だけでなく、
日常生活という一番大切な場所で、子どもたちが「自分の体を好きになれる」ようなサポートです。
「わざとじゃない」という理屈を知るだけで、親御さんの心も少し軽くなるはずです。
体の使い方の悩みがあれば、いつでも私たち理学療法士にご相談ください。