DCD(発達性協調運動障害)の子が走り方でバテてしまう理由
「うちの子、走るとすぐに『疲れた』と言ってやめてしまうんです」
「運動会のかけっこでも、最初だけ勢いが良くてすぐに失速してしまう…」
そんな悩みをお持ちではありませんか。
その「疲れ」の原因は、「体の使い方の効率」にあるかもしれません。
今回は、DCD(発達性協調運動障害)のお子様がすぐバテてしまう走り方の正体とチェックポイントをお伝えします。
1. 「体力・根性・運動不足」という3つの誤解
まず、親御さんに知っておいてほしいのは、以下の3つが必ずしも原因ではないということです。
• 誤解① 体力がない: 同じ距離を走っていても、人より何倍もエネルギーを使ってしまう「燃費の悪い走り方」をしている場合があります。
• 誤解② 根性がない: DCDの特性として、手足のタイミングを合わせるのが難しいため、本人は一生懸命でも体が追いつかないことがあります。
• 誤解③ 運動不足: そもそも「動きにくさ」があるから運動が嫌いになり、結果として動く機会が減っているという逆のパターンも多いです。
2. なぜ「燃費」が悪くなってしまうのか?
DCD傾向のあるお子さんは、走るという動作において、以下のような「非効率な動き」になりやすいことが研究でも示唆されています。
• 感覚の課題: 自分の関節がどこにあるか、どれくらい力を入れているかを感じる「固有感覚」が掴みづらく、常に全力で力んでしまう。
• 全身の連携不足: 走る力は「腕・体幹・視線」の連動で生まれますが、足だけで頑張ろうとしてスピードが出ない。
• 代償動作: 足首の押し出しが弱く、それを補うために股関節を過剰に使うなど、アンバランスな動きでエネルギーを浪費している。
3. 効率の悪い走り方のチェックリスト
診断ではありませんが、お子さんの走る様子を見て、以下の点に当てはまるか観察してみてください。
• 走る音が「ドタドタ」と重たく感じる
• 地面に足がついている時間が長く、ブレーキがかかっているように見える
• 腕の振りが極端に大きい、または固まっている
• 体幹がグラグラしたり、上半身が前に倒れすぎたりする
• 最初はいいが、途中から一気にフォームが崩れる
これらに当てはまる場合、「体力をつける練習」よりも「体の使い方を整える遊び」が効果的です。
「省エネな体の動かし方」をまだ学習している途中なので、まずは「うちの子の燃費はどうかな?」と、温かい目で見守ることから始めてみましょう。
療育センターエコルド はぐみのおうちの
理学療法士 内山明奈