息子が教えてくれた「入学式お化け」は親の気持ちそのものでした

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お子様の就学先も、そろそろ決定された頃でしょうか。通う学校が決まったら、次は入学の準備と慌ただしくなりますね。お子さんにとって、小学校へ入ることを身をもって意識するのが入学式。きっとどの子にとっても緊張した時間になることかと思います。今回は、そんな時間を息子がどう過ごしたかを紹介したいと思います。

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不安な気持ちを丸出しな息子

当時『精神遅滞を伴う、自閉傾向のある多動症』と言われていた息子は、小学校に新しく設置される支援学級(知的)に入ることになっていました。

新設の支援学級ということで、当然入学前の学級の見学も学習体験もなく、どんな準備をすればよいかわからないまま、時間だけが過ぎていってしまいました。

入学式を間際に控えた頃、ようやく支援学校から新しくやってきくる先生が担任になることが決まり、支援学級に入る新入生親子4組と先生の顔合わせの時間が設けられました。

大人しく先生の指示に従える子ども3人に対し、「にゅうがくしきは、でない」「いえにかえる!」を連発し教室を離れ、乗ってきた車に1人で乗りこんでしまった息子。

私はもちろん、担任の先生、校長先生も共通して『こりゃ~、困った…』と思った瞬間だったと思います。

それでも必死になって参加した入学式

入学式当日は、朝から機嫌が悪かった息子。

支援学級の担任の先生は新任の挨拶をする必要があるため、支援学級の子どもたちは全員、交流学級の先生に任されることになっていました。

交流学級の教室に入ることができホッとしたのもつかの間、私が目を離したすきに息子は脱走してしまいました。

家族で手分けして何とか見つけ出し、入学式の会場に向かう新入生の列に加えさせて、会場の保護者席で入場を待っていると、いつの間に息子が一人にこやかな顔で私のそばに来ていました。

補助の先生が強引に息子を連れて行こうとするも、息子は嫌がりうまくいかない。結局、見かねた私が息子と一緒に新入生の席に座ることにしました。

120人の新入生の中に、ひとり大人が入る。子ども達からの視線も痛かったですが、背後にいるその倍近い人数の保護者からの視線が、本当に痛かったです。

式の途中、なんとか席にとどまることができましたが、大きな独り言をいったり『起立!』『礼!』の号令に従えなかったり…。
 
退場も私と一緒、写真撮影では逃げたがる息子を必死に抱えての撮影。間違いなく、入学式で一番目立った親子だったと言えるでしょう。

入学式にはお化けがいた?!後から知った息子の気持ち

入学式当日全ての行事が終わり家に帰ると、息子が教えてくれました。

「学校にはお化けがいた」

初めて見る小学校の体育館、整然と並べられた椅子に座る大勢の大人達、文句も言わずに列に並び、黙々と行進する子ども達。

息子の少ない言葉から推察するところ、そんな全てが異様な雰囲気に感じたのかもしれません。必死に逃げ出そうとした息子を追いかけてきた先生達が、恐ろしいお化けに見えた、という事でした。

もしかしたら先生だけでなく、助けを求めた母親である私も、式に参加することを強要したのですから、お化けに見えていたかもしれません。

入学式は始まりの日であり、通過点に過ぎないから。

あの入学式から4年。学校生活が始まってからも色々とありましたが、必死に支援学級を作り上げようとする学校の先生達や、障害のある子ども達を理解しようとする人たちに支えられ、息子は毎日学校へ楽しく通っています。

4月から入学する弟に対し「しょうがないから俺が世話してやるよ」とお兄さんらしいことも言っているので、笑えます。

改めて入学式のことを振り返ると、当時の私は『最初ぐらいきちんとさせないと。他の子と同じようにさせないと。』と必要以上に肩に力が入っていて、息子に余計な緊張を強いていたのかもしれません。

それまでに、息子がほかの子と同じようには出来ない子だということを重々承知していたにも関わらず…。

息子が言ったように、入学式には『きちんとやらないといけない』と思わせるお化けがいるような気がします。

ですが、入学式をきちんと過ごすことよりも小学校入学を迎えられることを喜ぶことの方が大事なんですよね、きっと。

そんなわけで、今入学式を控えているお子さまとその保護者さま、ぜひ当日はリラックスした気持ちで迎え、笑顔いっぱいで過ごしていただきたいと思います。
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