吃音(きつおん)とは?吃音の3つの種類や症状、原因、治療法について詳しく解説!

2016/01/18 更新
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言葉の一部を繰り返したり引き伸ばしたり、言葉が詰まってしまったりと、滑らかに話すことができない症状が現れる、吃音。この記事では吃音の症状や原因、さまざまな治療法について紹介します。

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監修: 井上 いつか
言語聴覚士(ST)
医療・福祉機関などで、言語聴覚士として多くの子ども達と関わる
目次

吃音とは?

吃音とは、滑らかに話すことができない状態を指し、吃音症(英語でstuttering)とも呼ばれています。

吃音のある人の男女比は、幼児期の発症時には1:1から1.4:1程度と同じくらいの割合ですが、青年期以降になると、4:1程度で男性の方が多いとされています。
わかりやすいように、吃音の一例を紹介します。

「か、か、からす」「かーーらす」「・・・・からす」

このように、話し言葉が滑らかに出ません。
しかし、環境を整え接し方を工夫したりすることで、症状の悪化をやわらげたり、自己肯定感の低下や二次障害を防ぐことができると言われています。

吃音には連発・伸発・難発の3つの中心となる症状があり、症状については次の項目で詳しく説明していきます。
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吃音の症状

吃音の代表的な症状について説明します。これらは併発する場合もあります。

連発(繰り返し)

音や語の一部を繰り返してしまう状態をさします。
例:「こんにちは」→「こ、こ、こんにちは」

伸発(引き伸ばし)

語の一部が伸びてしまう状態です。
例:「あした」→「あーーあーした」

難発(ブロック)

言葉を発するときに詰まってしまう状態を言います。
例:「おはよう」→「(……)っおはよう」

その他の症状

吃音には以下のような症状もあります。

■随伴運動
話す場面で顔をしかめる・足を叩く・舌を出すなど、必要以上に体の一部に力が入ったり動かしたりすることがあります。

■工夫・回避
どもりやすい言葉や苦手な行を話さないように、他の言葉へ置き換えたり、話すことを避けようとすることがあります。

■波現象
吃音の現れ方には波があります。特定の要因なく吃音が出やすい時期・出ない時期とが繰り返し現れることが多いとされています。また、話している状況・内容・相手などによっても変化する場合もあります。
吃音は「多く生じる時期」「少ない時期」があると捉え、吃音の現れ方に一喜一憂し過ぎないように心がけましょう。
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どういった場面で吃音は発現しやすいの?

苦手な行の言葉を発しなくてはいけない時

吃音のある人の中には、「サ行が苦手」や「イ段が苦手」など、特定の苦手な音や言葉がある人がいます。このように苦手な言葉を発さなくてはいけないときに、吃音が現れることがあります。

周りの目を気にしすぎたり、不安な状況

吃音を周りの人から笑われたりからかわれたりする経験があると、周りの目を気にしてしまうようになります。学校で音読しなければならない時や皆の前で挨拶をするときに緊張してしまい、吃音が生じる場合があります。

どもらないようにしようと、吃音を意識しすぎた時

吃音の理解がない人に、吃音のことを注意されたり叱責されたりすることで、必要以上に吃音を意識してしまうことがあります。吃らないように気をつけると、逆に症状が悪化してしまうことがあります。

吃音の原因

吃音には、小児期に他の原因となる疾患がなく起きる発達性吃音と、疾患や心的ストレスなどの原因で起こる獲得性吃音があります。それぞれの特徴を以下にまとめました。

発達性吃音

小児期にみられる吃音のほとんど、成人でも9割以上の吃音は発達性吃音です。
発達性吃音は、2歳から4歳の頃に発症することが多い発達過程の症状で、成長するにつれ解消する人も多いと言われています。その後に渡って症状が残る場合に考慮される原因として、遺伝的要因、発達的要因、環境要因などがあり、これら様々な要因が関わっていると考えられていますが、まだ確定的な研究結果はでていません。

獲得性吃音

一方、獲得性吃音は2種類あります。

■獲得性神経原性吃音
神経学的疾患や脳損傷などにより発症

■獲得性心因性吃音
心的なストレスや外傷体験に続いて生じる

どちらも発症時期は主に青年以降(10代後半~)とされています。

吃音は自然となくなるの?治療は必要?

吃音は自然と治るの?いつまで症状は続くの?

幼児期に吃音が現れた場合、約7~8割が自然に治ると言われていますが、成人人口の1%に吃音が残るとされています。
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吃音の対応方法

吃音への対応方法をいくつか説明します。

■環境調整・接し方の工夫
吃音があっても、環境を整え接し方を工夫することで、話しやすくなったり症状の悪化をやわらげたりすることができると言われています。たとえば以下のような方法があります。

・子どもが話しやすい聴き手になろう 
本人の「コミュニケーションしたい」という意思を尊重して、話し方ではなく伝えたい内容に注目してみましょう。どもっていても心配や指摘をし過ぎることなく、伝えたいことが何かがわかるまで、ゆっくり待ってみましょう。
そのために、話し手も聴き手もゆったりとリラックスして話したり過ごしたりできる機会を、できる範囲で作ってみましょう。周囲にいる人がゆったりとした話し方のモデルを示すことが効果的な場合もあります。

・時には言いにくさに共感しながら、そのままの話し方を認めよう
あまりにも言葉が出てこない時、様子を見て代弁してあげることが子の負担を軽くする場合もありますが、あまり先取りし過ぎないよう気を付けましょう。
 
・吃音について知ろう
周りにいる人たちに、吃音についてできるだけ理解してもらいましょう。言葉以外のコミュニケーションや意思表示の方法(絵・写真・文字を用いる、選択肢を示す、タイピングを利用する、ジェスチャーや指さしでもOKとするなど)を準備しておくのも、本人の心理的負担の軽減になります。
様子を見て、可能であれば本人とも吃音について話をしてみましょう。どういう状況であれば楽に過ごせるか、どんな方法であればコミュニケーションを取りやすいか、本人と一緒に相談し試してみましょう。「伝えたいことが伝わった!」という自信を少しずつ育みましょう。
■その他
「これを行えば必ず治る」という確立された治療法はありませんが、呼吸や発声のトレーニングや行動療法など、症状を軽減するための方法はいくつかあります。ただし、どのような取り組みが効果的かは、症状や併存する疾患、年齢や状況、吃音の捉え方やニーズによって変化し、個人差も大きいとされています。
まずは、療育センターやことばの教室、病院のリハビリテーション科や耳鼻咽喉科などの機関や、言語聴覚士などの専門家へ相談することをお勧めします。
吃音の症状が残る人もいますが、まずは、症状があってもその人らしく過ごすことができる環境を作ることを目指しましょう。からかわれたり失敗体験を積み重ねて自己肯定感が下がることで、コミュニケーションそのものが嫌になってしまわないよう、早期に環境を整え、楽にコミュニケーションを行える方法を探ることは大切です。

以下に吃音に役立つ資料をまとめました。参考にしてみてください。

まとめ

吃音を特性のひとつとして捉え、その子にあった環境を整えることで、楽に行えるコミュニケーションの方法を見つけ、自分らしさを発揮し過ごせることを目指しましょう。
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