吃音(きつおん)とは?吃音の3つの種類や症状、原因、治療法について詳しく解説!【専門家監修】

ライター:発達障害のキホン
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言葉の一部を繰り返したり引き伸ばしたり、言葉が詰まってしまったりと、滑らかに話すことができない症状が現れる、吃音(児童期発症流暢症)。この記事では吃音(児童期発症流暢症)の症状や原因、さまざまな治療法について紹介します。

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監修: 井上いつか
言語聴覚士
大阪外国語大学、神戸総合医療専門学校卒。 医療・福祉機関で勤務後、現在フリーランスとして活動。 発達に凸凹のあるお子さまやご家族のサポート、支援者の育成、記事執筆・監修等を行う。
目次

吃音(児童期発症流暢症)とは?

吃音(児童期発症流暢症)とは、滑らかに話すことができない状態を指し、吃音症(英語でstuttering)とも呼ばれています。連発・伸発・難発の3つの症状と、そのほか付随する症状があり、特に、吃音(児童期発症流暢症)を強く意識する場面や不安・ストレスが強い場面で症状があらわれやすくなると言われています。
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吃音(児童期発症流暢症)とは、滑らかに話すことができない状態を指し、吃音症(英語でstuttering)とも呼ばれています。連発・伸発・難発の3つの症状と、そのほか付随する症状があり、特に、吃音(児童期発症流暢症)を強く意識する場面や不安・ストレスが強い場面で症状があらわれやすくなると言われています。

吃音(児童期発症流暢症)のある人の男女比は、幼児期の発症時には1:1から1.4:1程度と同じくらいの割合ですが、青年期以降になると、4:1程度で男性の方が多いといわれています。
参考:小児発達性吃音の病態研究と介入の最近の進歩|森浩一,小児保健研究 77(1): 2-9, 2018
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2018/007701/002/0002-0009.pdf
わかりやすいように、吃音(児童期発症流暢症)の一例を紹介します。

「か、か、からす」「かーーらす」「・・・・からす」

このように、話し言葉が滑らかに出ません。
しかし、環境を整え接し方を工夫したりすることで、症状の悪化をやわらげたり、自己肯定感の低下や二次障害を防ぐことができると言われています。

吃音(児童期発症流暢症)には連発・伸発・難発の3つの中心となる症状があり、症状については次の項目で詳しく説明していきます。
国立障害者リハビリテーションセンターホームページを加工して作成
参考:吃音について|国立障害者リハビリテーションセンター
http://www.rehab.go.jp/ri/departj/kankaku/466/2/

吃音(児童期発症流暢症)の代表的な症状とは?

吃音(児童期発症流暢症)の代表的な症状について説明します。これらは併発する場合もあります。

連発(繰り返し)

音や語の一部を繰り返してしまう状態をさします。
例:「こんにちは」→「こ、こ、こんにちは」

伸発(引き伸ばし)

語の一部が伸びてしまう状態です。
例:「あした」→「あーーあーした」

難発(ブロック)

言葉を発するときに詰まってしまう状態を言います。
例:「おはよう」→「(……)っおはよう」

その他の症状

吃音(児童期発症流暢症)には以下のような症状もあります。

■随伴運動
話す場面で顔をしかめる・足を叩く・舌を出すなど、必要以上に体の一部に力が入ったり動かしたりすることがあります。

■工夫・回避
どもりやすい言葉や苦手な行を話さないように、他の言葉へ置き換えたり、話すことを避けようとすることがあります。

■波現象
吃音(児童期発症流暢症)の現れ方には波があります。特定の要因なく吃音(児童期発症流暢症)が出やすい時期・出ない時期とが繰り返し現れることが多いとされています。また、話している状況・内容・相手などによっても変化する場合もあります。
吃音(児童期発症流暢症)は「多く生じる時期」「少ない時期」があると捉え、吃音(児童期発症流暢症)の現れ方に一喜一憂し過ぎないように心がけましょう。
国立障害者リハビリテーションセンターホームページを加工して作成
参考:吃音について|国立障害者リハビリテーションセンター
http://www.rehab.go.jp/ri/departj/kankaku/466/2/
参考:言語障害|文部科学省
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2014/06/13/1340247_11.pdf
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どういった場面で吃音(児童期発症流暢症)は発現しやすいの?

苦手な行の言葉を発しなくてはいけない時

吃音(児童期発症流暢症)のある人の中には、「サ行が苦手」や「イ段が苦手」など、特定の苦手な音や言葉がある人がいます。このように苦手な言葉を発さなくてはいけないときに、吃音(児童期発症流暢症)が現れることがあります。

周りの目を気にしすぎたり、不安な状況

吃音を周りの人から笑われたりからかわれたりする経験があると、周りの目を気にしてしまうようになります。学校で音読しなければならない時や皆の前で挨拶をするときに緊張してしまい、吃音が生じる場合があります。

どもらないようにしようと、吃音(児童期発症流暢症)を意識しすぎた時

吃音(児童期発症流暢症)の理解がない人に、吃音(児童期発症流暢症)のことを注意されたり叱責されたりすることで、必要以上に吃音(児童期発症流暢症)を意識してしまうことがあります。吃らないように気をつけると、逆に症状が悪化してしまうことがあります。
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