広汎性発達障害(PDD)とは?年齢別に症状の特徴を解説!【専門家監修】

ライター:発達障害のキホン

広汎性発達障害とは、アスペルガー症候群や自閉症などを含む発達障害の分類です。具体的な症状や行動の特徴はどんなものがあるのでしょうか?ICD-10における広汎性発達障害の症状や特徴、診断方法や診断基準などを紹介します。DSM-5での新たな分類「自閉症スペクトラム」との関係・違いについても説明します。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 客員研究員
応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。
目次

広汎性発達障害(PDD)とは?

広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:略称PDD)は、コミュニケーションと社会性に障害があり、限定的・反復的および常同的な行動があることを特徴として分類される発達障害のグループ です。このグループには自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害という5つの障害が含まれています。

発達障害情報・支援センターでの定義は以下の通りです。
広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorders)とは、自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害をふくむ総称です。出典:国立障害者リハビリテーションセンターホームページ
出典:http://www.rehab.go.jp/ddis/understand/definition/
発達障害は大きく分けて「広汎性発達障害(PDD)」「ADHD(注意欠如・多動性障害)」「学習障害(LD)」の3つに分類されます。

下の図を参考にしてみてください。
広汎性発達障害(PDD)とは?年齢別に症状の特徴を解説!【専門家監修】の画像
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広汎性発達障害と自閉症スペクトラム障害の違いは何?

「広汎性発達障害(PDD)と自閉症スペクトラム障害(ASD)の違いは何?」という質問がよくあります。実際、この二つの障害の定義の区別は難しいと言えます。

2013年にアメリカ精神学会により発刊された、国際的な診断基準のガイドラインであるアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では、この広汎性発達障害に分類される障害のほとんどが「自閉症スペクトラム障害」(Autistic Spectrum Disorder:略称ASD)という新たな総称に統合されました。「自閉症スペクトラム障害」には、自閉症、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害が含まれています(レット障害は除外)。

そのため、「広汎性発達障害」と「自閉症スペクトラム障害」はレット障害の項目を除いて、ほぼ同じ内容を指していると考えることができます。

広汎性発達障害の3つの症状

それでは、広汎性発達障害の症状を説明して行きます。

広汎性発達障害の主な症状として
・社会性・対人関係の障害
・コミュニケーションや言葉の発達の遅れ
・行動と興味の偏り

があります。

その他、広汎性発達障害のかなりの割合の人には「視覚」「聴覚」「味覚」「触覚」などの感覚に対して特定の刺激に苦痛や不快感を感じる「感覚過敏」という症状が見られるという報告もあります。感覚過敏を持っている人が必ず広汎性発達障害だというわけではないですが、傾向として多いと言われています。

広汎性発達障害の中でも特に自閉症やアスペルガー症候群がよく知られていますが、自閉症の多くが知的障害を伴うのに対して、アスペルガー症候群は言葉の発達の遅れが伴わない「知的障害のない自閉症」と言われています。

また、知的障害のない自閉症は「高機能自閉症」とも呼ばれますが、アスペルガー症候群との定義の違いが曖昧で、専門家によって異なります。

広汎性発達障害の症状別の特徴

広汎性発達障害の3つの症状の具体的な特徴を説明します。

社会性・対人関係の障害

「社会性・対人関係の障害」は4つの特徴に分かれます。

■孤立型
・人に関心がなく、関わるのを避ける
・呼んでも反応しない
・視線を合わせようとしない

■受動型
・言われたことに何でも従う
・嫌なことも受け入れてパニックを起こして固まってしまう
・固まってしまう

■積極・奇異型
・一方的に話し続ける
・同じことを何度も言う

■尊大型
・人を見下したような言い方をする
・横柄な態度を取る

他にも社会で適切に対応できる「適応型」などの特徴もありますが、広く知られているのは上記4つのタイプです。

コミュニケーションや言葉の発達の遅れ

「コミュニケーションや言葉の発達の遅れ」には、以下のような特徴が例として挙げられます。

・言葉の発達が遅い(オウムがえしが多い、単語しか発しないなど)
・会話が苦手(一方的に話す、受け答えができないなど)
・言葉を意味通りに理解してしまう(冗談や皮肉が通じない、たとえ話などを誤解してしまう)
・抽象的な言葉の意味や文脈の理解が困難(遊びのルールが分からない、「みんな」に自分が含まれていると気づかないなど)


言語能力に遅れがある場合、図式や絵で説明するなど、具体的に説明しないと文章の意味が伝わらないことがあります。また、自分が使っている言葉でも意味を理解していないことがあり、相手を傷つける発言をしてしまうことがあります。

行動と興味の偏り

広汎性発達障害の人は、ある特定のモノに強い興味やこだわりを見せることがあります。

具体的な特徴としては、
・予定の変更や初めての場所などに苦痛を感じる
・食事へのこだわりが激しいなどの偏食
・パターン化していない自由時間などが苦手
・普段はできていることが場所が変わるとできない

などが挙げられます。

広汎性発達障害の人は自分なりのこだわりがあるため、やり方に少しでも変化があると対応できなかったり、パニックを起こして泣き喚いたりする場合があります。
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