他人が笑うとパニックになる息子が、笑顔ある生活を取り戻すまで

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発達障害の特性の1つ、「曖昧な言葉がわからない」。「笑う」に大混乱した息子と、「笑う」を一緒に獲得するまでをお話しします。

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kaoru
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きっかけは「笑い方が変」というイジメでした

人はいろんな場面で毎日何度も笑います。数えたことはないけど、相当な回数笑っていますよね。

そんなに毎日たくさん笑っているのに、人が笑う理由がいくつあるのか?どんなときにどうやって笑うと適切なのか?……具体的に答えられますか?
私はそんなこと考えたこともなかったし、今も正確に答えることはできません。

息子が「笑う」という行為に混乱し始めたのは小学校に入学したころ。きっかけは登校班でのいじめでした。

現場を目撃した方が「息子さん、登校班でいじめられているかも。」と教えてくれたのです。

学校に調査を依頼すると、蹴られたり、石を投げられたり、無理やり靴を脱がされて遠くへ投げられたり……調査の結果を聞くのがとても辛く苦しかった。

学校側は「息子の笑い方が気持ち悪い」といういじめっ子の言い分も一理あるとして、「ご家庭で適切な笑い方を指導してください。」と、お互い様という形での決着にこだわっていました。

これは私の人生で一番口惜しかった出来事。
いじめられない為の適切な笑い方って何でしょう

未だに謎のままです。

息子は「笑顔」を見るとパニックに…

息子はこの出来事を機に、「笑う」という行為を、することも見ることも嫌がるようになりました。

「笑いが気持ち悪い」「ちゃんと笑え」といった具体性に欠ける言葉にも混乱していたようですが、そもそも息子は友達からバカにされて、笑われていた様子。

すっかり「笑う」という行為に混乱した息子は家族が笑ってもパニックを起こすようになりました。

わたしがテレビを見て笑っていると、「ママが僕をバカにした」と泣いて暴れるのです。

笑わない生活って本当に難しい。私はどんなに気をつけても、ふとした瞬間に笑顔を出してしまい、日に何度も息子はパニックを起こすという悪循環。

本当に困り果てていました。

その時は、診断前で発達障害のことなど何1つ知りませんでしたが、自分なりに対策を講じることにしたのです。

「笑う理由」を伝えてみよう

息子の混乱に、どこか違和感は感じていました。

ですが発達障害の特性も、違和感の原因も分からず、私の対策は暗礁に乗り上げました。

息子の混乱の原因が分からないのなら、私自身がどうしたいのかを考えてみました。

笑うって本当はイイコトって分かって欲しい

でもどうやったら伝わるの?学校は簡単に「適切な笑い方を指導してください。」なんて言いますが、難しすぎて雲を掴むようでした。

そこで、「お母さんはあなたをバカにして笑うことは一生しない」と約束した上で、笑う度に「笑った理由」を説明することにしたのです。

最初のうちは、なるべく笑う前に説明。

「テレビが面白いから笑います」「あなたがかわいいと思ったので笑います」「自分が失敗して照れくさいから笑います」「上手に出来てうれしいから笑います」……笑う理由って本当にたくさんあるんですね。

息子は事前の説明で理由を知ることで、だんだんと落ち着いていきました。このやり方が軌道に乗り始めたころ、アスペルガー症候群と診断され違和感の原因や発達障害の特性を知りました。

息子は次第に事後説明でも平気になり、1年近くが過ぎると説明なしでも問題がなくなったのです。

診断名を知らなかったからこそ…母だから出来ること

あれから7年。
息子は笑いには種類があることを理解しています。信頼できる人が冗談で自分をバカにして笑っても一緒に笑えるまでになりました。

「笑う理由を説明する」というやり方は、時間がかかりますが2つの大きな利点がありました。
ひとつは、自分が笑う理由なのでわたし自身が戸惑うことなく説明できたこと。
もうひとつは、子ども本人が、目で見て確認できたこと。

具体的かつ簡潔に説明する習慣は、その後の関わりでも大いに役立ちました。

例えば「カワイイ」の一言でも、「小さくてカワイイ」「カラフルでカワイイ」「目が大きくてカワイイ」など、理由はたくさんあり、場面によってちがいます。

実際に目で見て確認できる状況で伝えると、「カワイイ」には沢山の種類があって状況によってかわいいポイントが違うという理解に繋がっていきました。
専門機関では「曖昧なことは分からない」の一言で片付けられがち。

曖昧なことを理解させるという選択肢や方法はあまり教えてはもらえません。私たち親子は診断前だったからこそ、「理解できないものだから無理なんだ」と片付けずに、柔軟な対応や挑戦が出来たのだと思います。

診断がおりて色んな気持ちを乗り越えてきましたが、ふとこの診断前の出来事を振り返って、専門家や支援者ではない母親だから出来ることが、実はたくさんある事にきがつきました。

発達障害のあるなしは関係なく、育児ってお母さんの目線で子どもに合わせて出来ることを探すことなんですね。小さなことでいいから、一緒に探してみませんか?

お母さんだからこそ出来ること。子どもの笑顔のために。
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