【お家で療育】かんしゃくの原因、見落としてない?

ライター:松本太一
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アナログゲーム療育アドバイザー松本太一です。
発達障害のある子にゲームを使って療育をしている私が、保護者の方から一番多く聞く悩みは「かんしゃく」。負けると泣いて怒って止められない…そんなかんしゃくも、実は大人の適切な声掛けによって防ぐことができるのです。

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執筆: 松本太一
アナログゲーム療育アドバイザー
放課後等デイサービスコンサルタント
NPO法人グッド・トイ委員会認定おもちゃインストラクター
東京学芸大学大学院障害児教育専攻卒業(教育学修士)
フリーランスの療育アドバイザー。カードゲームやボードゲームを用いて、発達障害のある子のコミュニケーション力を伸ばす「アナログゲーム療育」を開発。各地の療育機関や支援団体で、実践・研修を行っている。

負けると「かんしゃく」が止まらない!

ゲームに負けた瞬間、大きな声で泣きわめいたり、手にしたカードを机に叩きつけてしまう…。
発達障害のある子にしばしば見られる光景ですよね。

かんしゃくが原因で他のお友達と一緒に遊ぶことができず、いつも一人ぼっちでいるお子さんの姿をみて、途方にくれる保護者の方も多いのではないでしょうか。

かんしゃくの原因は様々。
ですが、発達障害の子どもがゲームに負けてかんしゃくを起こす時、実は多くの大人が見落としている原因があるのです。

多くの子に共通する原因とは?

ゲームに負けてかんしゃくを起こす子には、共通した特徴があります。

それはゲーム中に「ゲームの進捗が把握できていない」ということです。

ババ抜きやUNOのようなカードゲームだとその様子は顕著で、自分が手にしたカードだけをじっとみて、他のプレイヤーの動きやゲーム全体の流れを見ていないことがほとんどなのです。

このような場合、今自分が何位なのか、あと何回プレイできるのか、を知らないまま夢中になって参加しているのです。
そのため終盤に差し掛かっても、もうすぐゲームが終わること、このままだと自分がビリになってしまうこと、を理解していない状態。

この状態でゲームが終了と言われると、お子さんはどんな気持ちでしょうか?
本人からすれば「一生懸命プレイしていたのに、突然ゲームが終わって、自分だけがビリだと言われた」。

これでは、かんしゃくを起こすのも無理はありませんよね。

そんな時、大人ができるサポート

周りが見えておらず、突然に自分がビリになったことを知らされ、かんしゃくを起こす…。
こうした問題を避けるためには、大人のちょっとした言葉がけが大切になってきます。

①ゲーム中に、他の子の活動へ意識を促す

自分1人の世界に入りやすい子には、「おっ、今は◎◎君(相手)がチャンスだね!うまくやれるかな?」「◎◎ちゃん(相手)、残念!次は君の番だよ」と、他の子の活動に注目が向くよう、声をかけてあげるのです。

そうする事で、他の子やゲーム全体の動きをキャッチすることができます。

②ゲーム終盤は、先の見通しを伝える

ゲームの終盤で負けそうだなと感じるときは、「今はトップとの差が10点だから、逆転するのは難しいかもしれないね。でも最後までがんばろう!」と、それとなく先の見通しを伝えてあげます。

そうする事で、「頑張っているのに急に終わった」という状況を防いでいきます。

③終了後は、勝ち負けをわかりやすく伝える

ゲームが終わったとき、「◎◎くん(相手)優勝!おめでとう!ほら、拍手してあげよう」とこちらから促します。
そうする事で、自分の結果を受け入れながら、1位になって嬉しい思いをした子がいることに気づいていきます。
ただ「ビリだ」と言われるよりも、よっぽど上手に受容できるものです。
次ページ「繰り返しながら学ぶ」

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