そしていよいよ転校。子どもたちは…?

【息子の場合】

息子には、特別支援学級があり、理解と配慮を得やすい中学校を紹介していただきました。どのようなことでつまづくのか、事前に学校の先生方に伝えておきました。

本人にも、「きっと分からないことがあるだろう」という心の準備をしてもらいました。

今度の中学校は、始業式など学期の始めに実力テストがありましたが事前に教えてもらっていたので、疲れはしたものの、落ち着いていられました。

靴を「ズック」、上履きを「中ズック」、登校用の指定リュックを「ザック」と呼んでいました。初めは混同してどちらを指しているのか分かりませんでしたが、パニックにはなりませんでした。

習っていることの違いにも、今回は動揺せずにすみました。先生方も、「前の学校とは違うかもしれない」ことを常に考えて接してくれました。
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前の中学では靴も靴下も自由だったので、学校指定の靴に、これまでと同じ靴下を履いていましたが、クラスの子が「色付きは違反だよ」と教えてくれ、校則違反だと知りプチパニックになる事もありました。

これらは息子が困ることを予測して、配慮を受けての結果です。配慮を受けられる学校を選んでいなければ、きっと結果は違っていたでしょう。

食べることと着替えることについては、息子自身が小学校時代の通級指導の先生に言われた「環境が変わる時がチャンス」という言葉が浮かんだそうで、意を決して本人自ら挑戦しました。

昼食はおにぎりからスタートし、徐々に弁当に移行しました。着替えについては「制服の下に体操服を着る」ことが新しい学校のやり方だったため、すんなり対応できました。
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転校後に娘が書いていた言葉
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【娘の場合】

幼稚園の間に不登校を経験し、入学前から小学校の配慮を受けていた娘。たった1学期の期間でしたが、通級しながら安心して登校させてもらっていた学校からの転校です。

事前に2つの転校先候補を紹介していただきました。感覚過敏から、1つの学校の校舎には一歩も足を踏み入れることができず…もう一方の学校へ入学をお願いしました。

「体操服はみんなと違っていてもいいから、前の学校のがいい」という娘に「転校生も何人もいるから、サイズが合わなくなるまでは、それでいいよ」と校長先生。

後ろに人がいると落ち着かなくなる娘は、最初は一番後ろの席にしてもらえました。

場面緘黙の起こる娘が返事のできないことがあっても、かすかな反応を大事にしてくれました。通級はさせてもらっていませんが、学校内の多くの先生方に配慮を受けています。

これから転勤などで引越しされる方へ

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住む場所さえ決めれば、後は自動的に決まってきますし、様々な手続きも早いです。

でも、もし子どもがその選択により学校に通えなくなったらどうでしょうか?

学校とのやり取り、通院、日々の子どもへの対応など、私はとても大変でした。

出口のないトンネルを歩いているような生活が始まります。その状態になってしまってから、越境しようか、また引っ越そうかというのも相当なエネルギー。

実際にいくつかの学校を見てきましたが、親子共に心身疲弊している中でそれをするのは本当に大変です。

息子の一度目の転校は、たまたま運が良かったものでした。それでも、みんなと一緒に給食を食べられない2年余りの日々は大変でした。

例えば、林間学校はどうやっても食事が取れず具合を悪くした息子を迎えに行きました。一泊だった修学旅行では、大量のアミノ酸飲料で凌ぎましたが、帰るまで心配でしたよ。

それでも息子が様々な体験に挑戦しようという気になり、達成感を得られたのは配慮やたくさんの方の支えがあってのことなのです。
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2度めの転校を機に「お昼を学校で食べてみよう」と思えたのも、その下積みのおかげです。おにぎりからスタートして今では普通にお弁当を食べられるようになったのも、その後の支えのおかげ。

転勤などで引越しされる方、そして家を建てようという方、家族みんなが落ち着いて生活していくために、どうぞ学校選びを優先してはいかがでしょうか。

必要な配慮をもとに子どもが安心して過ごしていくためには、学校選びだけではなく、配慮のために必要な情報を子ども本人や学校の先生方にきちんと伝えいくことが大事だと思います。
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