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[第2回]

「普通」だった僕が、12歳で自律神経失調症になった。

全員が不登校を経験した3人組バンド、JERRYBEANSの一員として「講演ライブ」を行っている八田さん。「学校は楽しいものだと思っていた」そんな八田さんが、不登校を経験した小学校6年生から中学3年生までの間について、どんな葛藤を抱えていたのかお話を伺います。

学校は楽しいものだと思っていたのに

本当に普通。勉強もスポーツも「普通」くらい。
友達はまあまあいて、小学校の4年生までは学校もずっと楽しかった。

それまで学校が大好きだったのは、クラスに恵まれていたからなのだろう。
学校は楽しいものだと思っていた。なのに、5年生の新しいクラスは、これまでと違っていた。
あまり良い雰囲気のクラスとは言えなかった。
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講演ライブでの八田さん

原因不明の腹痛が続く日々

仲の良かった子が、クラスメイトからかわれていた。
おもちゃの銃を持った7~8人のクラスメイトから町中を追いかけられたこともある。

今考えるといじめだったのかもしれない。
一緒に逃げた日の翌日「次の標的は八田君らしいで」と噂を聞いて、とても怖くなった。

ある朝、登校時間になると調子が悪い。
病院に行っても、原因がわからない。

また次の朝、行こうと思ってるのに体調が悪い。
でも、病院では何も診断されない。

そうやって不調が続き、学校を休み始めた。
ずるずる休んで、どんどん学校に行きづらくなっていった・・・。

クラスの雰囲気、友達関係、大切にしていたペットの死。
休み始めた時期は、僕にとってしんどい事が重なっていた。
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講演の打ち合わせ
学校に行けなくなって苦しかった。
上手くいかないことが重なったのは初めて。
親の期待に応えたい、上手くできない自分が恥ずかしい・・・そんなループから抜けられない。

しばらくして「自律神経失調症」と診断された。ストレスが原因らしい。
学校に行ったとき、意志とは裏腹にボーっとしてしまい、何かが迫ってくるような、気分が悪くなることもあった。今思えば、あれはしんどさが体にあらわれてたんだと思う。

友達にも会えない、しんどい日々が始まる。

仲良かった友達が、家に来てくれたこともあった。
会いに来てくれて嬉しい、友達の気持ちにも応えたい、頑張りたい。

でも身体は学校を拒否する。しんどい日々が続いていた。

最初のうちは毎日学校に行くか行かないかと、母親と喧嘩。
母親は、どう思っていたのだろう。
「まさかうちの子が不登校なんて」と動揺していたのかもしれない。

心配してくれている、その気持ちはわかる。痛いほどわかる。
でもその想いに応えられない自分が辛かった。

父親はというと、「休んでるんかぁ」と一言。
「ぼくに無関心なんや」と寂しかったけれど、「学校に行け」「家いても勉強くらいはしろ」なんて一切言わずに、そのままでいてくれたのは、すごく有難かった。

あの頃僕は、学歴が無いとまともな人生送れないと思っていた。
「どんな大人になるんやろ」と心配だったたけれど、今仕事があって信頼できる仲間がいて、笑って毎日過ごせている。
こんなに変われたのは、僕を無理に変えようとしなかった親、そして仲間のお陰だ。
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取材中も終始爽やかな八田さん

次回

「あの頃はとにかく自分を責めていた」という八田さん。取材中、何度も繰り返し出てくる言葉は、「親の変化」そして「仲間との出会い」。—次回はこの2つのキーワードが八田さんにどのような変化をもたらしたのか、そして、全国の親御さんへ伝えたいメッセージをお伺いします。
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