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[第1回]

 不登校だった僕が、教員研修?

3人組バンド、JERRYBEANSー関西を中心に活躍する彼らはちょっと変わったスタイルのバンドだ。主な活動は「講演ライブ」だという。会場はライブハウスではなく「学校」。一体なぜ、こんな珍しいスタイルで活動しているのだろう。それはメンバー全員の学生時代の経験にヒントがあるという。リーダーの八田典之さんのストーリーを伺います。

「講演ライブ」のはじまり

あの時は驚いた。
「君たちの過去を勉強会で話してくれないか」
そう言ってくれた一人の先生がいた。後から聞いたら校長先生って、また驚いた(笑)

3人組バンドJERRYBEANSは、メンバー全員、不登校の経験がある。

僕らは、その経験から様々な想いをのせて歌をうたっていた。
そんな僕らの不登校だった時期のことを、教員の勉強会で講師として話してほしいと言われた。

学校に行かなかった僕らが、学校の先生に何か伝えるなんて、変な感じだ。
お役に立てるのなら、必要としてくれるのなら、そう思って引き受けたのが「講演ライブ」の始まり。

生徒さん向けの時は、経験を話して歌を歌って。それだけだとしんみりしちゃうからクイズやゲームもして。…頑張ってモノマネしたり(笑)


過去のことを伝えるには、毎回勇気がいる。
人権や命、そんな真面目な話だから、最初は照れくさくて聞いてくれない子もいる。だけど、それでもいい。

リクエスト頂いたテーマに対し、僕らなりの想いを伝えるけれど、絶対に押し付けたり決めつけたりはしたくない。
僕らの経験したことを率直に伝えて、聞き手にはそれぞれ自由に感じてもらえたらいい。

ただ、どの学校でも必ず1人は、あの頃の僕らと同じかそれ以上に辛い想いをしている子がいる。
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(左)八田典之さん (中央)山崎史朗さん (右)山崎雄介さん

「明日もやりたい事がある」と思えたのは仲間のおかげ

バンドの仲間とは、不登校の親の会を通じて知り合った。

2人と出会ってから生活が劇的変わった。
毎日楽しくなって、僕がやってた音楽に2人も興味もってくれて、嬉しかった。

それまでは生きる希望なんてなかったけど、漠然とプロのミュージシャンを夢見るようになった。
仲間の存在ってすごい。

「明日もやりたいことがある」

そんな感覚は、仲間と出会ってからだ。

講演ライブを始める前は、ライブハウスで活動していた。
通信制の高校を卒業せずに上京。
16~18歳の学校も行かなかった子どもたちが、よく決断したなあと自分たちでも驚く。

それ以上に、僕の親もよく許してくれたなと思う。高校も卒業せずにいきなり上京するなんて(笑)
やりたい事を見つけて、積極的に進むなんてそれまでなかったから、応援してくれたんだろう。

その後僕は、29歳で高校を卒業した。
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八田さんの担当はベース

どの学校にもいる「ギリギリの子」は、あの頃の僕だ

今、講演ライブで色んな学校にいかせてもらって感じるのは、どんな地域でもどの学年でも、

「いま、死にたいくらい辛い」

という子が、必ずいるということ。


不思議と、ステージから見ててその子の姿はすぐ目にとまる。
毎回自分と向き合うから、体力もいるし気持ちも疲れる。
親御さんがいる時は、自分の親の顔が浮かんだりして泣けてくることがある。

それでも暗い顔してた子が、いい表情になっていくのは嬉しい。
最後にジャンプしながら参加してくれてたりすると、ものすごくパワーをもらう。
後日、「とっても励まされました」とメールが届く事もある。そんな時は不登校の経験があって良かったとすら、思う。
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講演ライブの終盤で
ステージの上から見える、「ギリギリの子」。
僕はまさに、その子だった。

「こんな普通の事も出来ないなんて、もう自分なんかダメだ」
—そう思っていた。
学校に行けなかった小学校6年生から中学校3年生までの間、ずっとつらかった。

今、こんなに人生を楽しんで生きていることを知ったら、あの頃の僕はどう思うのだろう。
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講演ライブの合間に撮影

次回

年間約130本の講演ライブを通して、「どこの学校にも僕ら以上に辛い思いをしてる子がいる」と語る八田さん。
次回は、そんな八田さんの学校に行けなかった時期についてお話を伺います。なぜ学校に行けなくなったのか、そこにはどのような葛藤があったのか、そして彼を支えたのは一体何だったのでしょうか。
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