伝えるだけじゃない。本人への障害告知、最適なタイミングとは?

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我が子への障害告知について、誰しも一度は悩んだことがあると思います。私もずっと悩んでいました。今日は、現在13歳になる息子への障害告知について、綴りたいと思います。

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本人にいつ伝えればいいのだろう…

子どもに「発達障害がある」という事を、いつどうやって告知したらよいのでしょうか。そもそも告知をしたほうが良いのか、悪いのか、多くの保護者が悩むことだと思います。

今年13歳になる長男は、7歳のときに発達障害と診断されました。

息子が9歳のとき、たまたま近所の保育園で児童精神科医の佐々木正美先生の講演会がありました。私はその場で障害告知について質問させていただきました。

すると、

「あなたは。お子さんはお子さんのままで良いと思っていますか?治すところなどひとつもないと思っていますか?」

こう質問され、私の答えはもちろん「いいえ」。ひとつもどころか、治したいところでいっぱいでしたから。

そんな私に、先生はきっぱりと言いました。

なら今のあなたがするべきじゃありません。全てを受け入れることが出来る人しか告知をするべきじゃないのです。」

この言葉を聞いて、実は…かなりへこみました。

数年後、別の機会で佐々木先生にお会いしたとき、「息子が自分は人と違うと言い出した。告知したほうが良いか?」と質問をさせていただきました。

その時は、「障害名を伝えるよりも、あなたが人と違うことお母さんも知っているよって伝えてあげなさい。お母さんも知っていると分かれば安心しますよ。」と、教えていただきました。

告知に至る前に、何度も何度も「君が人と違うことはお母さん知ってるよ。人と違うなんて当たり前。みんな良いところも悪いところもある。お母さんなんて欠点ばかりだけどちゃんと大人として生きているよ。」と、伝え続けました。

「その時」は突然やってきた

息子が「自分は他の人と違う」と言い出した時点で、告知が必要だと感じていましたが、なかなか切り出せない日々が続きました。

しかし、思いもよらぬタイミングで告知をすることになるのです。

私が録画しておいた発達障害に関する番組を、あろうことか息子が見てしまったのです。すると一言、「お母さん、この説明を聞くとぼくは発達障害だね?」と言うのです。本当に驚きました。


ただ、1つだけ以前から心に決めていたことがありました。

それは息子本人から障害について聞いてきた時は、絶対に逃げないで正面から答えるということ。
お母さんが何かを隠したり、ウソをついてごまかしたりしたら、子どもは傷つく。正直なところ、頭は真っ白でしたが「そうだよ。君は発達障害だから通級したり療育したりしているんだよ。」と伝えました。

そして、私はWISCの結果を見せながら、「発達障害のない人は、このグラフの波が小さいの。なんでも平均的に出来る。それが発達障害がないってこと。君のグラフの波は大きいね。それは発達障害があるってこと。得意と苦手が極端なの。

でも見て!例えは悪いけど、君の波は津波のように大きい波でしょう?それは大きなエネルギーを持っているってこと。そのエネルギーをちゃんと使いこなせるように療育しているんだよ。」

告知は「自分をよく知る」ためのステップだから

息子は、どこかホっとしたように見えました。

しかし、学校で同級生とうまくコミニケーションを取れない苦悩は続き、一時は「障害」という言葉にとても敏感だったと担任から聞いて心が痛みました。

そんな息子が卒業前に書いた作文には、「ぼくは自閉症です。人とうまく行かないことが多いけど、理解してくれる人もいるのでうれしいと思う。」と書いてありました。

この1文を読んだときに、「息子は発達障害を受容したんだ」「やっと、本当の告知が出来た」そう思いました。

告知とは、言葉で伝えるだけではなく、子どもが「自分自身を受容できるまで」のことでした。だから、伝える側の保護者が全面的に子どものことを受容できていないと、子どもを傷つけてしまう。佐々木正美先生の言葉を、心から理解できた瞬間でした。

障害告知というと、どこか大げさに聞こえますが、思春期の子どもがアイデンティティを探すのと同じではないでしょうか。

自分には何が出来て何が出来ないのか。どうやって生きていくのか。大人の世界に船出していく子どもに、大海原で迷子にならないようにと渡す羅針盤のようなもの。

迷ったときに進路を間違えないよう、親が手を貸してあげられるうちに、きちんと伝えてあげる事が大切なんだと、今はそう思っています。
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