失敗の連続?!我が子が「タスク表」を使いこなせるようになるまで ~前編~

ライター:ANNA
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先の見通しができないことでパニックが起こる自閉ちゃん。
やらなきゃいけないことが抜けてしまう注意欠如ちゃん。

あらかじめに予定がわかっていることで不安が解消されることもありますし、気持ちを事前に作っておくこともできるでしょう。
また、決められた手順(ルーチン)を自分一人で行うことができるスキルは就学だけでなく、自立という意味で生活の中でも重要です。

なぜスムーズに準備ができないのか…

全体を見通し、順序立てて準備・行動する。定型の子供だけでなく大人でも難しいですよね。
発達障害を持つ小さなお子さんならば、混乱するのは当然です。

「そんなこと、言わなくてもなんとなくわかるでしょ?」
「いつもと同じ流れだから説明なんかいらないでしょ?」
「何回、同じ間違いをするの?」

やらなきゃいけない事に常に追われていると親はついついそう言ってしまいがち。

でもやっぱり「その子にとってわかりやすい説明」は必要です。それを怠ると大なり小なり何がしかのトラブルが起きてしまい、その都度怒ってばかりだと親も子も、疲れてしまいますよね。

やはり「今日はとってもいい子だったね、おりこうだったね」と、成功体験と楽しい思い出を親子で共有できるのが理想ではないでしょうか?

視覚支援は出来ない子だけ?

さて視覚支援が大事だということは何度も耳にしてわかっている。
しかし、いざ視覚支援を行うための準備や手間を考えると、「そこまでする必要があるのか?」と感じたことはありませんか?

「視覚支援がなくてもほとんどできている。ただやる順番がばらばらで効率よく動けてないだけ
「なんとなく理解はできている。ただムラがあってうまくいかない日もある
「やらなきゃいけない事自体は理解している。ただよく脱線して滞ってしまう

親がある程度やるべきことを誘導し、指示をすれば、視覚支援がなくてもなんとかなるお子さんもいるでしょう。

しかし、視覚支援は全く出来ない子だけのアイテムではありません。「ちょっとサポートすれば出来る」を、「1人で出来る!」に変えていくためのツールでもあるのです。

作る手間を考えると「そんな暇うちにはありません!」と言いたくなりますが、長い目で見るとこちらがチェックしなくてもできるようになってくれれば生活はぐっと楽になるのです。

文字を習得しているお子さんの場合は 紙に簡単に書いたチェックリストでもいい。
またはその逆で、全く文字がないシンプルな絵カードでもいいでしょう。
その子にあった「スケジュールボード」や 「タスクリスト」の形式を考えてみましょう。

視覚支援に取り組んだ1つの例として、我が家の重度のADHDであり自閉症の息子が、スケジュールボードを導入するまでの取り組みと失敗談を少し振り返りご紹介したいと思います。

一筋縄ではいかなかったわが家の場合・・

スケジュールボードを導入するにあたってのゴールを思い描いてみることが大切。
ということで書き出してみました。

・自分がやりたい活動をスケジュールを見ていつできるのか理解ができる。
・自分のやりたい活動をその予定されている時間まで癇癪を起こさず楽しみに待つことができる。
・常に支援者がついていなくても、タスク表を見ながら自分一人で準備や行動ができる。
・スケジュール通りに動くことによって 安定したルーチンをこなせるようになる。

こう書き出すと簡単なことに思えますが、重度の自閉&重度のADHDの我が息子にとってはここに到達するのに地道なスモールステップが必要でした。

最終的には、支援級や支援学校などで一般的に使われる「リスト式」のスケジュールボードとタスク表を使えるようになることを目指しました。
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支援学校等で使われているスケジュール(左)とタスク(右)
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当時は保育園の年中さんだった息子。
登園してからの朝の準備が終わるまでの流れは、私がサポートすることになっていました。
この直接介入できる時間で、タスク表を見て動くための練習をすることにしました。

材料のベースとなったのは100円ショップのにある「プラスチックA4ケース」。
これを2つつなげ、折りたたんで持ち運べるようにしました。
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「一人では無理でも、こういうのがあれば、見ながら行動を起こすくらいはできだろう!」
そう思っておりました…が、甘かった。

「終わったタスクカードは外し、タスクカードが無くなると準備完了」という定番の形式ですが、

自閉ちゃん的に…

・注目する場所が分かり辛い、ボードの全体を見れてない。
・細部(ピンポイント)で見ている。しかもそこにこだわりを見出そうとする。
・ボード自体に興味がなく注視できない。

ADHDちゃん的に…

・周囲のいろんな刺激に翻弄され、すべてが終わるまでとどまることが困難。
・一つ一つのタスクを行う意識がぶつ切れ、作業の流れという意識が希薄。
・「終わったらタスクカードを剥がす」行為を忘れる。
・タスクの最後まで終わっても達成感がゼロ。

と、息子にはとても使い勝手が悪い様子でした。

気合をいれて作ったわりには、暖簾に腕押し感が半端無かった…。
次ページ「困りごとを整理して、1歩前のステップから取り組もう」

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