「生きづらいと思ったら親子で発達障害でした」の著者、モンズースーさんに会ってきた!

2016/07/12 更新
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Amebaブログでの漫画ブログ「生きづらいと思ったら親子で発達障害でした」がアメブロ総合1位を獲得、「発達ナビ」でも大人気連載中のコミックライター、モンズース―さん。5月26日にKADOKAWAから出版された書籍の発売を記念して、発達ナビ編集部がインタビューを行いました。

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ブログ「生きづらいと思ったら親子で発達障害でした」

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Amebaブログ「生きづらいと思ったら親子で発達障害でした」(アメブロ総合ランキング1位)の著書であり、「発達ナビ」でも大人気連載中のコミックライター、モンズース―さん。5月26日にKADOKAWAから書籍を出版し、反響を呼んでいます。

ブログと同名の著書『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした』では、ブログで掲載済みのエピソードに約100ページの書き下ろしが加わり、息子さんお二人が生まれてからの育児の軌跡や、ご自身が発達障害診断を受けるまでの、紆余曲折の日々が描かれています。

モンズース―さんの出版を記念して、発達ナビ編集部で詳しいお話を聞かせてもらいました。

「せっかくADHDと診断がおりたのだから…」勢いで応募したのがブログの始まり

編集部(以下、編): 書籍出版おめでとうございます!いつも、「発達ナビ」での連載もありがとうございます。お会いできるのを楽しみにしていました。今日はよろしくお願いします。

モンズース―さん(以下、モ): ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。

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: もともとアメブロでも総合1位を獲得するほどの大人気ライターだったモンズース―さんですが、書籍を世に出してみての反応はいかがでしたか?

: そうですね…

発達障害というとなかなか公に出すには勇気がいるテーマなんですが、思った以上にポジティブな反応をいただいていて、嬉しいです。

: それは嬉しいですね。発達障害と育児の話題をマンガでここまでリアルに描いた本は今までほとんどなかったので、反響が大きいのかもしれませんね。そもそもどうして、このようなマンガ連載を始めることになったのでしょうか?

: ぶっちゃけて言うと、職探しですね(笑)。

上の子も幼稚園でだんだん落ち着いてきて、下の子も保育園に入ってから2,3ヶ月が経ったころ、私にもだんだん時間が出来てきたので、働かなきゃなと思ってたんですよ。

ちょうどそのときに、KADOKAWAのコミックエッセイコンテストの存在をネットで偶然知って、〆切一週間前に慌てて書いて出したら、なんと通っちゃって…!
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©️モンズースー/KADOKAWA
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: ご本人としても、「まさかの入賞」って感じだったんですね(笑)。それまで、お仕事としてイラストを描く経験はあったんですか?

: これまではほんとに趣味程度で、Pixiv(イラスト投稿サービス)にイラストを投稿することはあったんですけど、本格的なお仕事としては初めてです。

: へー、そうだったんですか。未経験だけど、思い切って出してみたというわけなんですね。

: 自分なんか絶対無理だろうと思ってたんですけどね。

でも、ADHDの人の特性は、漫画家などクリエイティブな仕事に向いていると聞いたことがあって、せっかくADHDの診断を受けて自分のことがわかったんだから、思い切って挑戦してみようと。

入賞してからはKADOKAWAの担当の方にもついていただいて、アドバイスを受けながらブログを連載していきました。

辛いことも楽しいことも、全部さらけ出す。私もそんなブログに支えられた1人だから。

: 自分と子どものこと、しかも発達障害のことをここまで赤裸々に書くってなかなか勇気がいることだと思うのですが、どうしてこのテーマで書こうと思ったのでしょう?

: 確かにそうなんですけど、

私自身が一番辛い時にも、そういうブログに救われた経験があるんですよね。「もう、育児を投げ出したいぐらい辛い!」っていう、どん底な時期も含めてさらけ出しているブログに出会って。

「こんなに辛いのはわたしだけじゃないんだ」って思えることで楽になれる人がいるなら、自分も、楽しいことも辛いことも正直にさらけ出して書いていこうって思ったんです。
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: なるほど…モンズースーさん自身も、辛い時期に先輩たちのブログに救われ、支えられてきた経験があってこそなんですね。

: はい。特に、発達障害の子の育児の中で一番大変な時期は、支援につながるまでの0〜3歳までの間だと思います。

なのでこの本では、0〜3歳の育児をしている保護者に向けて、そこまでの過程を詳しく描きました。

: 確かに、0〜3歳までの期間は大変ですよね…ただでさえ初めての育児でわからないことだらけなのに、お子さんの特性が強いと、周りとも全然様子が違って、もうどうすれば良いんだっていう…

: そうですね、本当に。上の子が1歳の頃は私もほとんど寝られない日が続いていました。
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: お子さんが大きくなるごとに毎度新たな試練がやってきて、本当に大変な日々だったと思います。ですが、本全体を通した読後感は、不思議と爽やかというか、前向きな気持ちにさせてくれるものでした。

: えー、そうですかぁ。

: なんというか…モンズースーさん、とっても強い方なんだなって感じました。これだけ困難続きな状況のなか、「この子が好きだ」、「この子の母でありたい」って、一歩一歩足を踏み出されていて…
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: うーん、そうですね…

でも当時から頭のなかでこんなにはっきり言語化できていたわけでは決してなくて。もっとモヤモヤしていたものが、マンガを書くときに落ち着いて振り返ってみて、ようやくそう思えたっていう感じです。

世間的にも、障害のある子どものお母さんは「強い人」ってイメージを持たれやすいと思うんですけど、みんな最初から強いわけじゃないと思うんですよね。

私や他のママが特別強いってわけじゃなくて、どん底ネガティブな時期も含めて、みんな色々経験した末の強さなんだと思います。

: 確かに、当時その瞬間瞬間は、ゆっくり考える余裕もなかったですよね。振り返ってみてようやく言語化できる、というのは育児に限らず、あると思います。

いろんな課題が目につくのは、子どもが成長した証拠。社会に出るまで焦らず、1歩ずつ。

: 今回のマンガを書く際に、これまでのお子さんとの日々を振り返られたと思うのですが、最も印象に残っている時期やエピソードはありますか。

: やっぱり、地区の運動会に上の子と参加した時でしょうか。

: あぁ、あの大泣きしちゃったときの…
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: 子どもたちが社会に出て行くってことはとっても大きなことなんだなって、あのとき実感しました。

: というと?

: その頃、家の中や慣れた場所にいれば、けっこう落ち着いて過ごせるようになっていたんですよ。

: それが、いつもと違う、他の人ばかりの環境でパニックになったと。

: 限られた環境だけでは生きていけない。でも、広い社会に出て、他の多くの人と関わりながら自立していくということは、この子にとっては相当に高いハードルなんだなって、実感したんです。

: なるほど…これからも進学・進級して環境が変わるたびに、お子さんにとっては新たな課題が迫ってくるわけですよね…

でも、お子さんも一歩一歩確実に成長されていますよね。大変だったこととは逆に、お子さんの変化で一番嬉しかったのはどんなことですか。

: やっぱり、言語聴覚士(ST)の先生とのトレーニングでの変化ですかね。そもそも、家族以外の人に話しかけたりお願いができるっていうのがまず無かった子なので、先生とお話を出来るようになったのが衝撃でした。
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: あのシーン、とっても好きです。

: 息子が社会とつながる最初の土台をつくってくれたのが、STの先生なんです。そこから段々とかかわりの輪が広がっていって、園の担任の先生、クラスの友達、友達のお母さん…と色んな相手と話せるようになっていきました。

: 素敵な先生ですよね。

: うちの子は、ガツガツ体育会系で元気に関わってこられるのが苦手で。そうじゃなくて、息子に合わせたペースでゆっくり近づいてくれたのが良かったんだと思います。

: 僕も人見知りが激しかったので、幼少期にああいう関わり方をしてくれる大人がいたら…って思います(笑)

「生きづらいけど生きていける」 凸凹があることは不幸じゃない。

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: 出版してから、ポジティブな反応がたくさん寄せられてきたとのことですが、具体的にはどのような声がありましたか。

: まずびっくりしたのは、「ありがとう」って声がすっごく多かったことです。お金出して買ってくれた"お客さん"なのに、こっちがお礼を言われるなんて。

: 「ありがとう」の声。

: 他にも、「わたしも同じです!」とか「よくぞ書いてくれました!」って声が多くて、あぁ、言いたいけど言えないで我慢してた人たちがたくさんいたんだなって感じました。

: まだまだ周囲と共有しにくい悩みですもんね。モンズースーさんが発信したことで救われた人はたくさんいたと思います。

: 自分の子どもに障害があることで、「いっそ心中してしまおうかと思った」なんていう体験談も、正直よく聞くんですよ。

そこまで思いつめてしまうのって、きっと、未来が見えないからなのかなって思うんです。障害があってもその子が育っていくんだっていう、その過程や見通しさえ見えれば、死ななければいけないわけではない気がする。

私も当時はしらなかったのですが、障害がある人達が生きていける場所は、普通に生活していると見えないことが多いけどちゃんとあるんです。

だから、定型発達の子が歩む道とは違っても、この子たちはこの子たちでちゃんと生きていく道があるんだよってことは伝えたくて。

: 書籍の中でも、「生きづらいけど生きていける」という台詞が印象的でした。キラキラした理想論でもなく、かといって絶望でもない。一歩一歩踏みしめて、前を向いて歩いている感じがして、僕も救われました。

: いやぁまあなんというか…ADHDのひとってポジティブらしいんですよね(笑)
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: 発達障害に限らず、障害や特性の強い人って「不幸だ」、「可哀想だ」っていうイメージを勝手に持たれがちなところがあるじゃないですか。

: 確かに、それはありますね。

: もちろん苦労はあるんだけれど、でも本人たちは周りが勝手に「不幸」にするほど、悲観してなかったりもします。

私は、自分の障害や特性を、完璧に"理解"してほしいとはあまり思っていなくて。でも最低限、こういう凸凹を持った人の存在を否定しないでいてくれたらなって、願います。

: 理解はできなくてもいいから、否定しない。

: 血液型と同じように、普通に「自分はADHDで〜」って言えるような社会がいつか来るといいと思います。

: 面白いですね。血液型に対しても色んなステレオタイプのイメージがあるけど、でも一人ひとりみんな違いますもんね。同じように、ADHDといったってこんな人もあんな人もいるんだって、自然に思われるぐらいになると良いですね。

そんな社会が来るまでには、まだ時間がかかると思いますが、モンズースーさんのように、自分やご家族のストーリーの発信が増えて多様になっていくと、世の中の空気も変わっていくかもしれませんね。

今日はインタビューのお時間いただき、ありがとうございました!

: こちらこそ、ありがとうございました!
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モンズースー, KADOKAWA,『生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした』
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KADOKAWA
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モンズースー (著)
KADOKAWA
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