22歳でアスペルガーと診断。二次障害で苦しむ娘を想い考えること

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娘がアスペルガー症候群と診断されたのは、22歳の時。精神科に通院していても、発達障害だとは分からずに、服薬のみ。医師ですら、娘の障害に気づきませんでした。療育を受けないまま成人した娘は、二次障害を発症して苦しんでいます。不眠、幻聴幻覚、被害妄想、自傷、他害、解離。娘に笑顔が戻るまで、どのように支えていくのか、家族のあり方を考えたいと思います。

シアン
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アスペルガーと診断されて、すべての謎がすうーっと解けた

通院していた病院で臨床心理士が「もしかしたら発達障害かも」と気づいたのは、娘が22歳の時でした。

すぐに検査を受けると、結果はやはり自閉症スペクトラム。

それを聞いたとき私は「 あぁ、そうだったんだ…。」と、それまでの娘の謎が全て解けた思いでした。

どうして、いじめられるの?
どうして、同級生とうまくいかないの?
どうして、気持ちが伝わらないの?

なぜ?

そんな謎が一度に解けていき、納得してしまったのでした。

小学校高学年から高校卒業までの間、娘は常にイジメの対象でした。私たち夫婦は、何度学校に出かけて行ったことでしょう。

ですが、担任は娘がいじめられている事も知らず、ことの詳細はいつも分からずじまいでした。

娘は今でも、いじめた相手の言葉を一字一句覚えていて「あの時こう言われた」と、当時を思い出しては、まるで昨日の事のように涙ぐむのです。

いじめられたあの時から、娘の時間はとまっている

当時の記憶は、何年経っても娘を苦しめています。

今でも、当時のいじめっ子に会うのではないかとビクビクして、バスや電車には乗りたがりません。あれから15年以上も経過しているのに、です。

娘の心はあの時のまま。まるで、時間が止まっているかのようです。 どうしたら、この苦しみから解放されるのでしょうか?

それが知りたくて、大学病院での発達検査を再度お願いしました。結果は、22歳のときよりも、精神機能全般の低下が現れていました。

発達障害の特性に加えて、いじめられた体験による他者への不信、妄想、破壊的な行為…家族のみで支えるには困難な衝動的な行動があるということでした。

心理士は、娘の場合、過去の辛い体験を見つめ直す事は妄想的な思考を促進しやすく危険、と教えてくれました。

辛い体験は振り返らず、日常生活の中で家族や家族以外の人と信頼関係を少しずつ築いていくこと。

そして、時折つまずく事があっても、乗り越える力を会得する時間を増やせば、過去を思い出す時間を減らせる、との事でした。

娘にとっては、誰かと信頼関係を築くことはとても難しい試みです。家族ですら、心から信頼できずに、些細なことで怒って家を飛び出していくのですから…。

深夜になると、家を飛び出していってしまう

娘が家を飛び出して行くことは、もう10年以上続いています。理由を聞けば、「家族と暮らせないから、出て行く!」と答えます。

深夜になると不安になって、ちょっと目を離した隙に、着の身着のまま何も持たずに出て行ってしまうのです。

興奮して感情的になり、何も考えずに飛び出してしまうので、薬もお金も携帯電話も 置いて行ってしまうのです。

それがどんなに危険であるかを、全く考えず…。

冷静になった娘に

深夜の街は危険が多いこと、最低限必要な物だけは持って行かないと命さえ保障されないことを繰り返し説明するのですが、私たちの必死の説得にも応じてくれずまた出て行ってしまうのです。

その度に毎回家族で探し回り、捜索願を出すこともありました。

真冬の深夜にパジャマのまま飛び出した時には、娘のコートや携帯電話、財布や薬も持って、寒さに凍えながら家族で河川敷を探しました。

雨降りの深夜に、裸足のまま、傘もささずに飛び出した時は、靴や傘も持って、探し回りました。

幸い、事故もなくいつも守られて無事に保護されてきていますが、もう二度と あの様な体験はしたくない、と言うのが本音です。
重度知的障害の二男を連れ、夫婦で何度も頭を下げて、娘を引き取りに出かけていきました。

これまで何千回も「黙って家を出て行かないで!」と伝えているのですが、娘には私たちの気持ちが伝わらず、いまだに同じ事を繰り返してしまうのです。

娘に幸せになってほしい、そう願いながら。

娘は、現在入院しています。

夜になると不安になり、眠れずに混乱し、自分が誰だか分からなくなったり、誰かの声が聞こえたり、実際にはない物が見えたり…。

家族に暴言を吐き、自傷や他害の危険もあるので、ずっと目が離せない状態でした。ちょっとでも目を離すと、家から出て行こうとするので、家族では対応出来なくなり、入院となりました。

主治医からは、

「今出ている症状には薬を処方しますが、発達障害からきている二次障害なので、特別な治療方法はありません。

本人が、いろいろな事を経験して、乗り越えて行くしかないでしょう。

これまで服用していた薬が多すぎるので、薬を変えて、量も減らして様子を見ていきましょう。」と、お話がありました。

二次障害で苦しむ娘に、私たち家族はどう接すれば良いのでしょうか。

寄り添うと簡単に言葉では言えますが、それほど容易な事ではありません。

娘の調子がひどくなるのは、心が不安定になったときです。心の安定には、もちろん薬の力も必要ですが、やはり娘本人が「安心感」を持てるかどうか、なのだと思います。

そのためには、安心できる環境と、安心できる関係、この2つが大切だと考えています。
娘にとっての安心できる場所が「家」であり、安心できる関係を「家族」と築いていけたら、心も安定していくのだろうと思います。

苦しんでいる娘に明るい笑顔が戻るまで、娘の話をしっかりと聞き、共感し、気持ちを受け止め、受け入れていきたいと思います。
娘が、家族を信頼し、安心して過ごせるようになった時に、娘の二次障害も消えて行くのではないかと思っています。

娘には幸せになって欲しい。
笑って、楽しく生きて欲しい。

いつか、そんな日が必ず来ると信じて、歩んでいます。
そして娘に伝わることを願いながら、これからも、信じているよ、愛しているよ、と伝え続けていきたいと思います。
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