「ママじゃなきゃ嫌!」に満足していませんか?親と子どもの共依存関係とは
ライター:林真紀
発達障害児への対応に慣れてきて楽になったと感じた頃のことでした。息子はいつの間にか「ママじゃなきゃダメ」になってしまっていました。そんなある日、私が高熱で一週間近く寝込んでしまい、息子の「ママじゃなきゃダメ」に追いつめられることとなってしまったのです!
発達障害の診断をきっかけに始まった、息子との信頼関係
私の息子は発達障害があります。
診断が下りる前、私は息子の癇癪やパニックにいつも悩んでいました。「お願い、もう勘弁して」と私まで息子と一緒に泣いてしまったほどです。
そんな私を救ったのが発達障害の診断です。
息子の癇癪とパニックはこちらが適切に支援を行えば発動しないということを、そのとき初めて知ったのです。
診断のおかげで、私は息子との接し方を工夫し、心地のよい時間を過ごすことができるようになりました。
周囲の人に「本当に、息子さんはお母さんのことが大好きって感じだね」と言われると、密かに幸せな気持ちになりました。
私は息子の安全基地になることができた!息子は私を信頼してくれている!
そうです、私はとても満足していたのです。
診断が下りる前、私は息子の癇癪やパニックにいつも悩んでいました。「お願い、もう勘弁して」と私まで息子と一緒に泣いてしまったほどです。
そんな私を救ったのが発達障害の診断です。
息子の癇癪とパニックはこちらが適切に支援を行えば発動しないということを、そのとき初めて知ったのです。
診断のおかげで、私は息子との接し方を工夫し、心地のよい時間を過ごすことができるようになりました。
周囲の人に「本当に、息子さんはお母さんのことが大好きって感じだね」と言われると、密かに幸せな気持ちになりました。
私は息子の安全基地になることができた!息子は私を信頼してくれている!
そうです、私はとても満足していたのです。
高熱を出して1週間もダウンした私。初めての「ママじゃない体験」に息子は
2016年、年が明けると同時に私は高熱を出して倒れました。一週間近くベッドから動けなくなってしまったのです。
よくよく考えたら、息子が生まれてから、高熱で何日も寝込むようなことは一度もありませんでした。息子は生まれて初めて、私以外の人に世話をされることになったのです。
その間、子どもたちの世話は夫がほとんどやってくれました。ところがその一週間は、息子にとってとても苦痛な時間となってしまいました。
まず困ったのが食事。夫の作った食事に手をつけないのです。
「パパのごはん嫌い。僕の嫌いな物を入れる」と言ってお弁当は手をつけなかったと聞きました。
そうです、私は息子の嗜好や味覚過敏を把握していましたから、入れてはいけない具材が全部頭に入っています。でも夫にはそれが分からなかったのです。
夫にしてみれば、「たかが小葱一つ」「たかが玉ねぎのみじん切り」を入れたぐらいで、息子は食事を全力で拒否します。
息子は、私が作った食事でなければ何も食べられない状態になっていました。
そして、お風呂、歯磨き、着替え…。何をするにつけても、息子の絶叫にも近い大泣きが聞こえてきます。
普段、私は息子の触覚過敏に配慮して、息子が嫌がるような場所に触らなければならないときは、「今からここを触るけど、三秒で終わらせるよ」と言うように見通しをたてています。
ところが夫は、息子が「嫌だ嫌だ」と言うのを、「じっとしていなさい」と押さえつけてしまいます。これが、息子のパニックを誘発しました。
高熱のなか、息子が助けを求める声がずっと聞こえてきました。結局、一週間ずっと、息子の「ママがいいーーーーー!!!」「ママじゃなきゃダメーーー!!」という絶叫が止むことはありませんでした。
息子は、私がいなければずっと癇癪やパニックを起こす状態のままだったのです。
よくよく考えたら、息子が生まれてから、高熱で何日も寝込むようなことは一度もありませんでした。息子は生まれて初めて、私以外の人に世話をされることになったのです。
その間、子どもたちの世話は夫がほとんどやってくれました。ところがその一週間は、息子にとってとても苦痛な時間となってしまいました。
まず困ったのが食事。夫の作った食事に手をつけないのです。
「パパのごはん嫌い。僕の嫌いな物を入れる」と言ってお弁当は手をつけなかったと聞きました。
そうです、私は息子の嗜好や味覚過敏を把握していましたから、入れてはいけない具材が全部頭に入っています。でも夫にはそれが分からなかったのです。
夫にしてみれば、「たかが小葱一つ」「たかが玉ねぎのみじん切り」を入れたぐらいで、息子は食事を全力で拒否します。
息子は、私が作った食事でなければ何も食べられない状態になっていました。
そして、お風呂、歯磨き、着替え…。何をするにつけても、息子の絶叫にも近い大泣きが聞こえてきます。
普段、私は息子の触覚過敏に配慮して、息子が嫌がるような場所に触らなければならないときは、「今からここを触るけど、三秒で終わらせるよ」と言うように見通しをたてています。
ところが夫は、息子が「嫌だ嫌だ」と言うのを、「じっとしていなさい」と押さえつけてしまいます。これが、息子のパニックを誘発しました。
高熱のなか、息子が助けを求める声がずっと聞こえてきました。結局、一週間ずっと、息子の「ママがいいーーーーー!!!」「ママじゃなきゃダメーーー!!」という絶叫が止むことはありませんでした。
息子は、私がいなければずっと癇癪やパニックを起こす状態のままだったのです。
息子に必要なのは「ママ以外」との信頼関係。私が決意したこととは
このとき私は初めて、息子のために頑張り続けてきたこと、息子と築いてきた強い絆は、信頼関係ではなく、依存関係だったと気づきました。
当たり前の話ですが、子どもは母親がずっと側にいて支援できるわけではありません。学校に通うようになったり、社会に出て仕事をするようになったとき、息子は私以外のたくさんの人たちと関係を築いていく必要があります。その人たちが息子の特性を完璧に理解して、対応できるわけではないのです。
この気づきを通して私は決意しました。
「私以外にも信頼できる人がたくさんできるように働きかけよう。私が倒れたら誰にも頼れないような状況は良くない」と。
今は、週末や長期休暇には、夫と息子で二人旅に行ったり、幼稚園の行事に夫が参加したり、親戚に何日か預けたりといったようなことを毎月のようにしています。「ママと違うやり方でも、なんとかなる」ということを、息子に体で覚えてもらうためです。また、上の娘と私が二人で旅行に行くこともあります。
一人で頑張り過ぎているお父さんお母さんがいたら、ちょっと勇気を持って、もっと周囲に子どもを託してみませんか?
当たり前の話ですが、子どもは母親がずっと側にいて支援できるわけではありません。学校に通うようになったり、社会に出て仕事をするようになったとき、息子は私以外のたくさんの人たちと関係を築いていく必要があります。その人たちが息子の特性を完璧に理解して、対応できるわけではないのです。
この気づきを通して私は決意しました。
「私以外にも信頼できる人がたくさんできるように働きかけよう。私が倒れたら誰にも頼れないような状況は良くない」と。
今は、週末や長期休暇には、夫と息子で二人旅に行ったり、幼稚園の行事に夫が参加したり、親戚に何日か預けたりといったようなことを毎月のようにしています。「ママと違うやり方でも、なんとかなる」ということを、息子に体で覚えてもらうためです。また、上の娘と私が二人で旅行に行くこともあります。
一人で頑張り過ぎているお父さんお母さんがいたら、ちょっと勇気を持って、もっと周囲に子どもを託してみませんか?
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