「あなたはだあれ?」アスペルガーの娘に起きた、突然の解離症状

ライター:シアン
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22歳でアスペルガー症候群と診断された娘。診断されるまで時間がかかり、療育を受けないまま成人した娘は現在二次障害を発症し、入院しています。私が初めて体験した、娘の不思議な「解離症状」をお話したいと思います。

発達障害の娘に、二次的な症状として現れた「解離」

22歳でアスペルガー症候群と診断された娘。

小学校高学年から高校卒業まで続いたいじめにより、神経性食欲不振症、不登校、被害妄想、幻聴幻覚、解離などの二次障害がひどくなり、現在入院しています。

二次障害の中でも、不安が強くなった時に起こる解離は、本人の記憶もあやふやで分からないことが多いもの。私が体験した娘の不思議な解離症状をお話したいと思います。

普段から、夜になると突然不安に襲われる娘

日中は穏やかに過ごしている娘ですが、夜になると一気に不安が押し寄せて来ます。
不安はどんどん大きくなって娘に襲いかかるので、側に寄り添い言葉をかけても不安が収まることはありません。

やがて強い不安は、パニックとなり過呼吸や引きつけを起こします。手や足をバタバタさせたり、全身を揺らしながら大声をあげ泣き叫んだりするのです。

その間、大声で泣き叫ぶ娘を前にしても、どうする事も出来ずオロオロして疲弊してしまいます。

頓服が効けば、1、2時間ほどで治まり、そのまま眠ってしまうのですが、夜が来れば眠れなくなり不安が襲ってくるので、相変わらず頓服を飲んでばかりの日が続いていたのでした。

その日は、いつもと様子が違った。しきりに「行かないで!」と言う娘

その日、娘は絵を描いて過ごしていましたが、私が家事をしようと娘のそばを離れると「行かないで!」と言うのです。結局何も出来ずに、1日中娘に付きっきりの状態でした。

夕方になり、重度知的障害のある二男が施設から帰宅する時間になったので、私はいつものように送迎バスを迎えに玄関先へ出ました。
すると娘は「行かないで!」と言い、私を引き止めたのです。

娘は私の足にしがみついていましたが、バスはすでに到着しています。私は、娘の手を振りほどいて玄関に向かったのでした。

「 行かないでー! あぁーーっ!」と、叫ぶ娘の大声が聞こえましたが、その時の私は大袈裟だなぁと思いながら外に出たのでした。

二男を迎え、家に戻ろうと振り返ったとき、そこには裸足で呆然と立ち尽くす娘の姿がありました。あろうことか、娘は、私の横に立っていたのです。

「どうしたの?」私は驚いて、娘に声をかけました。
「家に帰りたいの…。」娘はそう答えると、裸足のまま家の門を出ようとしたのです。
「ここが家でしょ?何言ってるの?」私は、無理やりに娘を家の中へと押し込んだのでした。
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