朝が来て、別人格の娘との2日目が始まった
朝になり目覚めた娘は、別人格のままでした。そして「家に帰りたい」と再び言い出したのです。
別人格の娘は、朝ごはんを食べ、毒ではないかと疑いながらも薬を飲み、だんだんと私を頼ってくれているのではないかと感じるようになりました。
娘ではないけれど、暴言は吐かないし、言葉使いも丁寧で、穏やかな性格のようだ…。私は次第に、別人格の娘も愛おしく思えてきたのでした。
そんな時、突然娘が「おばさんの事、お母さんと呼んでいい?」と言ったのです。
私は嬉しさのあまり、「いいよ!呼んで!」と笑顔で答えていました。
「お母さん優しいから、ずっとこのまま ここにいてもいい?」
「うん!いいよ。ここにいて!」
「じゃあ、家に帰らなくてもいいわ。ここにいる!私、名前がないから、お母さん 名前つけて!」
別人格の娘がそういうので、娘の名前を告げてみましたが「そんな名前嫌いよ!大っ嫌い!」と言うのです。
自分の名前に嫌悪感を示すことは不思議でした。
ですが、一先ず入院中の主人に電話をかけ「名前をつけて欲しいと言ってるけど、どんな名前がいい?」と相談しました。主人には、ずっと電話で状況を伝えていたので、すぐに答えてくれました。
別人格の娘は、朝ごはんを食べ、毒ではないかと疑いながらも薬を飲み、だんだんと私を頼ってくれているのではないかと感じるようになりました。
娘ではないけれど、暴言は吐かないし、言葉使いも丁寧で、穏やかな性格のようだ…。私は次第に、別人格の娘も愛おしく思えてきたのでした。
そんな時、突然娘が「おばさんの事、お母さんと呼んでいい?」と言ったのです。
私は嬉しさのあまり、「いいよ!呼んで!」と笑顔で答えていました。
「お母さん優しいから、ずっとこのまま ここにいてもいい?」
「うん!いいよ。ここにいて!」
「じゃあ、家に帰らなくてもいいわ。ここにいる!私、名前がないから、お母さん 名前つけて!」
別人格の娘がそういうので、娘の名前を告げてみましたが「そんな名前嫌いよ!大っ嫌い!」と言うのです。
自分の名前に嫌悪感を示すことは不思議でした。
ですが、一先ず入院中の主人に電話をかけ「名前をつけて欲しいと言ってるけど、どんな名前がいい?」と相談しました。主人には、ずっと電話で状況を伝えていたので、すぐに答えてくれました。
「マリア…」
「えぇっ?マリア?恥ずかしいんじゃない?」
「じゃあ、サラ!」
マリアもサラも聖書に書かれている女性の名前です。聖書もキリスト教にも興味のない主人が、この名前を出した事に私はとても驚きました。
娘にどちらが良いか聞くと「サラがいい!」と即答しました。「サラちゃんにする!今日から私は サラちゃんになる!」と言って、大喜びしたのでした。
自分の手の甲に「サラ」と書き「サラちゃんと呼んで!」と何度も言い、家族の名前を一人ずつ書いて欲しいと言ってノートを差し出したのでした。
言われるままに、私はノートに家族の名前を書きました。
「お父さん、お母さん、お兄ちゃん、サラちゃん、弟…」名前を言いながら説明をしていると突然、別人格の声が変わり娘の声になったのです。
驚きました。いつの間にか、別人格は消えていました。
このとき既に23時間が経過していました。長い長い時間でした。娘は、やっと元の娘に戻ったのでした。
「えぇっ?マリア?恥ずかしいんじゃない?」
「じゃあ、サラ!」
マリアもサラも聖書に書かれている女性の名前です。聖書もキリスト教にも興味のない主人が、この名前を出した事に私はとても驚きました。
娘にどちらが良いか聞くと「サラがいい!」と即答しました。「サラちゃんにする!今日から私は サラちゃんになる!」と言って、大喜びしたのでした。
自分の手の甲に「サラ」と書き「サラちゃんと呼んで!」と何度も言い、家族の名前を一人ずつ書いて欲しいと言ってノートを差し出したのでした。
言われるままに、私はノートに家族の名前を書きました。
「お父さん、お母さん、お兄ちゃん、サラちゃん、弟…」名前を言いながら説明をしていると突然、別人格の声が変わり娘の声になったのです。
驚きました。いつの間にか、別人格は消えていました。
このとき既に23時間が経過していました。長い長い時間でした。娘は、やっと元の娘に戻ったのでした。
本当の娘に戻ったとき、別人格で過ごした出来事を覚えていた
「お母さんが上手く誘導してくれたから、戻って来れたんだよ。」
娘は嬉しそうに話してくれました。
「えっ?覚えているの?」
「うん。ところどころ覚えてる。自分が誰だか分からなくなって、自分の名前も家族も分からなかったから、それでノートに書いて!って、言ったんだよ。」
確かに、言われてみれば別人格のはずなのに、娘自身の私物が入っているボックスを開けていたり、自分の名前を嫌いだと言ったり、不思議な行動がありました。
私が別人格だと思いひたすら対峙していたのは、娘自身だったのかもしれないと思えてきたのでした。
「この先、多重人格になったらどうしよう」と不安だった私は、ぼんやりとでも昨夜の出来事を覚えているという娘の言葉に、 少しホッとしたのでした。
娘は嬉しそうに話してくれました。
「えっ?覚えているの?」
「うん。ところどころ覚えてる。自分が誰だか分からなくなって、自分の名前も家族も分からなかったから、それでノートに書いて!って、言ったんだよ。」
確かに、言われてみれば別人格のはずなのに、娘自身の私物が入っているボックスを開けていたり、自分の名前を嫌いだと言ったり、不思議な行動がありました。
私が別人格だと思いひたすら対峙していたのは、娘自身だったのかもしれないと思えてきたのでした。
「この先、多重人格になったらどうしよう」と不安だった私は、ぼんやりとでも昨夜の出来事を覚えているという娘の言葉に、 少しホッとしたのでした。
何度も解離を引き起こし、専門病院に入院中。穏やかな日々を願いながら…
すぐに主治医の診察を受けると
「記憶があるので、真性の解離性人格障害ではないでしょう。自分を認識出来ない状態になって、混乱したのではないか。解離ではあるけれども、多重人格とは違うでしょう。」との事でした。
安心したのもつかの間、翌日も翌翌日も、娘は再び解離になり同じような症状が出ました。
「あなたはだあれ?ここはどこ?」と、同じ質問を繰り返し家から出ようとする娘。私ひとりで対応することに限界を感じました。
連休中だったので、仕方なく何度も救急外来に娘を連れて行きました。
主人は手術を受けるために入院中だったのですが、「お父さんの手術に対しての不安から来ている解離なので、手術が終わるまでは繰り返し続くでしょう。」との診断でした。
そして連休明けに、主治医に「何度も解離を起こす娘の対応が難しい」と伝えました。
退院したばかりなので再入院は出来ないが、代わりに別の病院を紹介しますと言われ、精神科の専門病院を紹介していただき、娘はやっと入院できたのでした。
後日、発達障害があると解離症状が出やすいと主治医に聞きました。
娘の場合は解離ではあっても解離性同一性障害ではないそうですが、「これは別人格だ」と信じ込んでしまうほど、あの時の娘は声も話し方も異なっていました。
今でも不安になると、解離になり自分が誰なのかどこにいるのか、分からなくなってしまいます。今は、娘を襲う不安が少しでも和らいで、穏やかな毎日が過ごせることを願うばかりです。
「記憶があるので、真性の解離性人格障害ではないでしょう。自分を認識出来ない状態になって、混乱したのではないか。解離ではあるけれども、多重人格とは違うでしょう。」との事でした。
安心したのもつかの間、翌日も翌翌日も、娘は再び解離になり同じような症状が出ました。
「あなたはだあれ?ここはどこ?」と、同じ質問を繰り返し家から出ようとする娘。私ひとりで対応することに限界を感じました。
連休中だったので、仕方なく何度も救急外来に娘を連れて行きました。
主人は手術を受けるために入院中だったのですが、「お父さんの手術に対しての不安から来ている解離なので、手術が終わるまでは繰り返し続くでしょう。」との診断でした。
そして連休明けに、主治医に「何度も解離を起こす娘の対応が難しい」と伝えました。
退院したばかりなので再入院は出来ないが、代わりに別の病院を紹介しますと言われ、精神科の専門病院を紹介していただき、娘はやっと入院できたのでした。
後日、発達障害があると解離症状が出やすいと主治医に聞きました。
娘の場合は解離ではあっても解離性同一性障害ではないそうですが、「これは別人格だ」と信じ込んでしまうほど、あの時の娘は声も話し方も異なっていました。
今でも不安になると、解離になり自分が誰なのかどこにいるのか、分からなくなってしまいます。今は、娘を襲う不安が少しでも和らいで、穏やかな毎日が過ごせることを願うばかりです。
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