緘黙症(かんもくしょう)とは? 話さないのではなく、話せない…症状、相談先、接し方まとめ

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かんもく、緘黙、緘黙症、場面緘黙症、選択性緘黙症などといろいろな呼ばれ方をしている、緘黙症。緘黙症の主な症状は、ある特定の場面や状況で話せないことです。ただの内気や人見知りではありません。本人が話したいと切望している場合がほとんどです。そんな緘黙症の症状、診断、相談先、治療先、発達障害との関わり、家庭での接し方など詳しく説明していきます。

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発達障害のキホン
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目次 緘黙症(かんもくしょう)とは? 場面緘黙症の症状 場面緘黙症の診断 場面緘黙とその他の疾患との関係 場面緘黙症の相談先 場面緘黙の治療・支援機関 家庭でできること 場面緘黙症を取り巻く環境 まとめ

緘黙症(かんもくしょう)とは?

緘黙症(かんもくしょう)とは、発声器官には問題がなく、言葉を理解したり、言語能力があると分かっている人が、ある特定の場面や状況で話すことができなくなってしまう精神疾患です。

たとえば、家庭の中や家族とは元気よく話せるが、幼稚園や学校では無口になり、話すことができなくなってしまいます。これは、言葉の遅れや、発声障害で話すことができないのではなく、精神的な原因があるのではないかと言われています。
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緘黙症の種類

緘黙症には、場面緘黙症(選択性緘黙症)と全緘黙症の2つの種類があります。

場面緘黙症の場合、話すことを期待されている特定の場面で、話す言語能力があるにも関わらず話せなくなってしまいます。全緘黙症とは、どの場面でも話せなくなってしまう場合を指す言葉です。

緘黙症は、医学的な診断名としては「選択性緘黙症」と名付けられていますが、日本では「場面緘黙症」と呼ばれるのが一般的です。

"選択"という日本語が、能動的に本人が場面や状況を選んで黙っているような印象を与えやすいため、誤解を避けるために「場面緘黙症」と呼称する人が多いようです。

実際、場面緘黙症のある本人は、話したくても話すことができません。医学的な診断名が"選択"性緘黙症となったのも、場所を選ばされざるを得ないという意味合いで"選択"という言葉が使われていると考えられます。

このコラムにおいては、比較的一般的な呼称である場面緘黙症を用いて症状や対策等を詳しく説明していきます。

場面緘黙症の症状

主な症状は、ある特定の、話すことを求められる社交場面や状況で話すことができなくなることです。場面緘黙症のある子どもの多くは、家族に対してや、家庭では活発に話しますが、学校やそのほかの社交場では話すことができません。

また、家庭の中や家族などの親しい人とも、あまり話すことができない場合があります。話さない代わりに、擬声音を出したり、指をさしたり、筆談したりすることもあります。場面緘黙症のある子どもの年齢が低い場合、つきまといやかんしゃくを起こすこともあります。

場面緘黙症の診断

診断基準には、大きくわけて、2014年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計のマニュアル』第5版)と世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の二つがあります。

ICD‐10では、小児期の情緒障害に含まれています。これは、ICD-10では、場面緘黙症は、子どもが発症する疾患という見方が強いことを示しています。一方、DSM-5 において場面緘黙症は、不安障害の一種とされており、不安や恐怖心が一因になっているのではいかという見方をしています。今回はDSM-5の診断基準をご紹介します。

DSM-5 による診断基準

1.ある特定の状況、場面以外では話すことができるが、そのある特定の社会的状況、場面では常に話すことができない。

2.この疾患により、学業上、職業上の成績が適正に評価されない、または対人コミュニケーションを円滑に行えない。

3.この疾患が少なくとも一カ月続いている。

4.場面に応じた知識があり、会話の楽しさを知っているが、話すことはできない。

5.コミュニケーション症(例:小児期発症流暢症)ではうまく説明されず、自閉スペクトラム症、統合失調症またはその他の精神病障害の経過中にのみ起こるものではない。

出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4260019074

いつ頃発症するの?

場面緘黙症は、5歳前後で発症することが多いですが、話す機会の増える学校へ行き始める時期まで、症状が顕在化しないことが多いです。

研究では、成長とともに場面緘黙症の症状が改善するというものもありますが、研究段階であり、確証はありません。一方、青年期、成人でもまれに場面緘黙症を発症します。

場面緘黙とその他の疾患との関係

場面緘黙症は不安障害の一種と考えられていますが、その他の疾患・障害との併存もしやすいようです。以下では、場面緘黙症との併存が多い疾患・障害について説明していきます。

他の不安障害との関係

場面緘黙症の併存症で最も多いものは、他の不安障害との併存です。不安障害群の中でも、社交不安症が最も多く、次いで、分離不安症や限局性恐怖症が多いと言われています。

発達障害との関係

2000年にアメリカの学会でクリステンセンが発表した説によると、発達障害は、不安障害と同じくらい場面緘黙症と併存しやすいと言われています。コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、軽度精神発達遅滞、アスペルガー症候群などとの併存が多いようです。

その他

夜尿症(Kristensen, 2000)、聴覚に関する疾患(Bar-Haim, et al., 2004)などを合併している場合が、場面緘黙症でない子どもに比べて多いという報告もあります。

場面緘黙症の相談先

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