夜尿症の原因や対処法・治療について、夜尿症とおねしょとの違い、発達障害との関係を解説します【医師監修】
ライター:発達障害のキホン
夜尿症は5歳を過ぎた子どものおねしょが1か月に1回以上の頻度であり、それが3ヶ月以上続くことをいいます。決して珍しい疾患ではありませんが、年齢が上がるにつれ、子ども自身が気にすることも多くあります。睡眠中の無意識な疾患なので家族の協力が大切になってきます。この記事では、夜尿症の原因、対処法、治療法などについて紹介していきます。
監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
夜尿症とは
夜尿症とは、5歳を過ぎた(あるいは精神年齢がそれと同等の発達水準の)子どものおねしょが1ヶ月に1回以上の頻度であり、それが3ヶ月以上続くことです。各年齢別の罹患率にはさまざまな説がありますが,5歳で 15%,小学校低学年では10%,小学校高学年では 5%、12歳〜14歳で2〜3%というデータもあり、珍しい疾患ではありません。
また、成長していくなかで自然となくなっていく場合もあり、小学生の夜尿症は1年で約15%の自然治癒を認めます。多くは成長とともに治癒するものの、0.5%から数%は成人へ移行します。
アメリカ精神医学会のDSM-5(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では、「遺尿症」という疾患のうちの1つとして診断基準を定めています。
また、成長していくなかで自然となくなっていく場合もあり、小学生の夜尿症は1年で約15%の自然治癒を認めます。多くは成長とともに治癒するものの、0.5%から数%は成人へ移行します。
アメリカ精神医学会のDSM-5(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では、「遺尿症」という疾患のうちの1つとして診断基準を定めています。
遺尿症には、夜間に生じる場合だけではなく、昼間に生じる場合もあります。この記事では、夜間の睡眠中に生じる夜尿症について紹介していきます。
夜尿症の原因と3つのタイプ
夜尿症の原因ははっきりとは分かっていませんが、主に以下の3つが原因と考えられています。
■夜間多尿
夜間の尿量が多い要因として抗利尿ホルモンの不足があげられます。抗利尿ホルモンは尿量を調整するホルモンで、分泌リズムは成長と共に落ち着いていきます。通常、昼間より夜間に抗利尿ホルモンは多く分泌されるため、夜間の尿量は昼間より少ないです。抗利尿ホルモンの分泌が不足することで夜尿につながります。
■排尿筋過活動
膀胱容量は成長と共に発達していきます。また、寝ているときは日中起きているときにと比べて膀胱容量が約1.5倍程度に増大することが分かっています。しかし、排尿筋過活動の場合、起きているときと比べて寝ているときに膀胱容量が増大しないことや反対に縮小することによって尿を溜めることができず、夜尿につながります。
■覚醒閾値上昇
夜尿の患者さんは、外部からの音による刺激を与えても、覚醒閾値が高く、起きにくいことが報告されています。
■夜間多尿
夜間の尿量が多い要因として抗利尿ホルモンの不足があげられます。抗利尿ホルモンは尿量を調整するホルモンで、分泌リズムは成長と共に落ち着いていきます。通常、昼間より夜間に抗利尿ホルモンは多く分泌されるため、夜間の尿量は昼間より少ないです。抗利尿ホルモンの分泌が不足することで夜尿につながります。
■排尿筋過活動
膀胱容量は成長と共に発達していきます。また、寝ているときは日中起きているときにと比べて膀胱容量が約1.5倍程度に増大することが分かっています。しかし、排尿筋過活動の場合、起きているときと比べて寝ているときに膀胱容量が増大しないことや反対に縮小することによって尿を溜めることができず、夜尿につながります。
■覚醒閾値上昇
夜尿の患者さんは、外部からの音による刺激を与えても、覚醒閾値が高く、起きにくいことが報告されています。
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夜尿症と関連のある障害は?
夜尿症と関連のある疾患・障害の一つとして発達障害があります。
ADHD(注意欠如多動症)が関連している場合
ADHD(注意欠如多動症)は、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害のことです。ADHD(注意欠如多動症)のある人の10~15%に夜尿症との合併があるとされています。中枢神経の発達が未熟な上、夜間の水分制限や排泄習慣を守りにくい、下着が濡れている感覚が鈍いなどのことから夜尿症が治りにくいことも指摘されています。
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